2010/06/13

「あねのねちゃん」(2007) by 梶尾真治

いつか読もうと思っていたもののまだ読んでいなかった「あねのねちゃん」をこのたび文庫版が出たという事で購入し、読了。

(以降内容に触れるので注意)
















いやほんと、最初はちょっと不思議な…それこそファンタジーな始まり…今回の文庫版で新井素子が解説を書いているのもよく判る…ものだったのがある瞬間にして一転ホラーっぽい雰囲気に…。

まぁここまでは割とよくあるさ。


けど、そこからさらにコメディにまで発展し、最後には泣かせてしまうという芸当はやはり梶尾真治の職人芸と言わざるを得まい。


いや、ある意味バカSF化した時点でいつも泣かされてるだなんていうことはすっかり忘れていたさ。
もう感情を弄ばれることこの上なし。本当にうまい!としか言いようが無い。

で、これも本当に映像化しないのかなぁという方向に毎度頭が行ってしまうのも梶尾真治なんだよなぁ。

これこそ本当に低予算でやっても(というよりはむしろ低予算でやったほうが)面白そうな気はする。
いつか、こういった梶尾真治の作品群が続々映像化されるような日々が来る事を密かに楽しみにしていよう。
そしてその暁にはこの作品も必ずや入っている事を楽しみにしつつ。