2010/09/11

「機龍警察」(2010)by 月村了衛

「機龍警察」を読了。


近未来。
機甲兵装と呼ばれる軍用人型有人兵器による犯罪対策として、ある事件をきっかけに警察法を修正してまで警視庁の一部署として創設された特捜部SIPD。
ここには、伝説の部隊の生き残り、警察に裏切られた元刑事、組織を裏切った元テロリストという三様の出自を持つ3人の傭兵が雇われており、さらに彼らには出自不明の次次世代機甲兵装「龍機兵」が与えられていて…。


この設定に加えて、階級組織である警察の詳細な描写と実際の戦闘における血生臭さが、何故か「真ゲッターロボ」を思い出させてくれた。


ある意味手垢の付いたジャンルながら、例えば3人の出自の違いから来る専門分野の違いやら、さらにはそこに配属であるが故に他の警察官から疎まれる彼ら以外の特捜部の面々などのキャラの立て方が結構面白い。


難があるとすれば、冒頭から話に入り込めるようになるまでの説明描写がややくどいのと、話そのものがこれからという所、連ドラの1話目でしかないと言ったところか。



で、ある意味同じような立ち位置である「フルメタル・パニック!」と比べてしまうことになるのだが、今回のこの作品のほうが警察描写の精緻にこだわるあまり、話のテンポがなかなか作り出せずに苦労しているし、読み手に負担をかけてしまっている。



まあそこらへんが割り切れていない辺りがこの作品の味なのであろうが、今後話が進むに従い解消させられていくのであろう。

この作品だけでは評価が難しいかな。
今後どうなるか、期待していよう。