『生きるべきか死ぬべきか』"To Be or Not To Be"を観ました。(2010/09/04 at シネマヴェーラ渋谷)
今年観た映画としては2本目となる訳だが、ある意味とてもタイムリーな作品だったと言えよう。
とは言え、何故かという話を始めると下手をすると本編より長くなるので、ここでは省略する。いずれ機会があれば思う存分書こうと思う。たぶん…。
さて、本編。
初見で情報を持っていても十分に楽しめる作品だが、初見の楽しみにも満ちた作品である。
故に以降ネタバレに向けて改行。
まず最初に提示された場面は確かにこれからいろいろな状況を想像させるものであったが、そこから連なるいくつかの場面は単純に繋がるものではなく、これからどのように繋がっていくかが読めない。
これからどこへ向かおうとしているか判らない。
それがある出来事から話は一気に話は転がり出す。
転がりだした話はあっちに繋がりこっちに繋がり、しかもどこに向かっていくかも判らない。
まさに気の抜けないスクリューボールコメディな状態。
そして、それがまさに絶妙なカットの連続で物語を形作っていく。
例えばビリー・ワイルダーだったらもう少しここを付け加えるだろうなあとか、メル・ブルックスなら…とか、いろいろ思いつきはするけれど、どれもプラスアルファであって、それはきっとルビッチにとっては不要のものだったんだろうなあ。
そして、それ故にであろうか、今観ても古さをまったく感じないんだよな。
そりゃフィルムの傷み具合はけっこうなことになっているが、変な流行り廃りに流される事のない立ち位置に居る。
余計な情報が無いのだろうな。
う〜む。
これ以上何を語れば…というかこれ以上語るには最初から最後までを逐一語らなければならないぞ。
強いて挙げるとすれば、名台詞の途中で席を立つような奴がいたらまず疑え、と言ったところであろうか。
(何を?)