2011/09/08

「GOSICKsIV -ゴシックエス・冬のサクリファイス-」(2011 )by桜庭一樹

GOSICKシリーズ最後の短編集
大戦の戦火の匂いつつあるクリスマス休暇の前日、聖マルグリット学園はリヴィングチェス大会を行っていた。
そんな束の間の一日の出来事と言う形でまとめられた物語。

そして語られるのは本編中で存在は示されていたものの今までは語られなかった物語。
それは、グレヴィールの頭が尖り、巻かれていったり、彼の部下であるイアンとエヴァンが何故手をつなぎ続けているかであったり。
あるいはブロワ侯爵とブライアンロスコーの因縁。

ゴシック最後の謎が証されていく。



相も変わらず脳天気な周囲と未来が見えているヴィクトリカのコントラストが哀しい。
もう二度と会う機会がないかもしれないという状況と学生たちと村を挙げての脳天気なコスプレ祭との対比がまたね。

そしてエピローグの一つ前の章ではヴィクトリカが戯れに指しているチェスの駒から観た永遠の地獄がキャラの形を持って唐突に描かれていく。
脳天気な彼らもまた駒の一部として。


そして物語は最終章へと続く。