「化物語」シリーズセカンドシーズン最終話、「恋物語」を読了。
出版順番的には「鬼物語」を飛ばして読むこととなったが、そこまでしても「囮物語」の続きを読みたかった。
そんなノリで読み始めたのだけれどその期待に違わぬ面白さでした。(当社比)
(以降、ホントにネタバレあり)
最初の頁を開いて、その一文字目を読むまでもなく思ったのは
「しまった!騙された!」
で、読み終えて最後に思ったのが
「ふ、騙されたぜ。」
でした。
うん、そんなに素直に話を進める著者じゃないから考えていなかったわけではないのだけれど、
けど実際にやられるとね。
しかも、貝木の一人称とは。
けど、それもあるところで何故この作品のタイトルが「恋物語」なのかと何故イラストが戦場ヶ原
ひたぎなのかに気づいて、正直やられたと思った。
うん、シリーズのある時点でそうじゃないかと思ったことはあったさ。「偽物語」時点ではそんなことも
なかったけれど、「花物語」あたりの貝木を見るとさすがにね。
けど、それでもあの「囮物語」の状況から脱せられるとは思っていなかった。
何せその方法を語られるのがあまりに早すぎたし、そもそもこのシリーズの読者は貝木がうまくやった
事例を2つしか知らない。
しかもそのうちのひとつは実はそうではなかったことが途中で分かり、さらには結局…。
しかしまぁ今までの話をうまくまとめたなという点では相変わらずの上手さ。
悪趣味なところも相変わらずでそれがこの「恋物語」のすべてでもあった。
そう、タイトルが「恋物語」だぜ。なんて悪趣味な…。(笑)
そして、なんて…。
本当に自分の作ったキャラクターに愛着があるんだなと思った。
他の作品の噂を聞く限り決してそうではないと思っていたのだけれど、このシリーズは特別?
それとも。
何かねぇ、何故戦場ヶ原ひたぎが貝木泥舟を心底嫌っているのかを分かったような気がした。
そして、最初は何故か理由がわからなかった「何故戦場ヶ原ひたぎが貝木泥舟に助けを求めに
行ったかも、最初はまったく理解できなかったが…。
ホントうまくまとめたと思うよ。
もう千石撫子はダメだと思ったけれど、まさか、しかも…だからな。
で、今まであからさまだった自称忍野メメの姪だか甥だかの扇の正体とメメ自身の行方、そして
臥煙伊豆湖の正体の他に、今回新たに加わった阿良々木暦の父親の正体。
残された大きな謎はそれくらいかな。
まぁ、まずは千石撫子の帰還と貝木泥舟の名誉の回復に喜ぶこととしよう。
しかしホントに騙されたぜ。