「機龍警察 自爆条項」(2011 月村了衛)を読了。
龍機兵と呼ばれるパワードスーツ的なものの存在する近未来。
その龍機兵を使用した重大案件が発生し始めた日本において沖津は警察組織内に特捜部特捜部と呼ばれる対龍機兵専門の重大案件対応組織を立ち上げた。
各所の精鋭や部外から集めたその部署はそのやり方や組織の在り方から警察内部や他省庁から忌み嫌われながらも事件解決のために奔走し続ける。
という前作を受けての2作目。
その前作を読んでいたからという理由で手を付けたのだが読み始めるとあっと言う間に引き込まれた。
正直に言って何となく全体像を覚えているだけだったのだが説明済みな部分は省かれスムーズに話が進むことと、前作同様冒頭から派手な案件でいきなり引っ張ってくるあたりの構成巧者なところが心地良い。
そして今回のメインは3人の龍機兵乗りの中の一人、元IRFのテロリストであるライザ。
彼女の回想を交えながら元居た組織が日本で仕掛けてきた案件に対処することとなる。五分の一くらいは舞台がダブリン(だったかな?)だったりする。
ということで、警察小説でありSFでもありテロリストの半生的な話でもあり一方でテロリストに家族を殺されたライザの機龍の技術主任である緑の話でありと言った感じでいろいろな要素がごった煮になって物語は突き進んでいく。
警察側は所轄や警備局、外務省や経産省や検事局、果ては外事まで交えての駆け引きを行いながら捜査を進める一方で、敵方も敵方同士で思惑や駆け引きがあり、ひたすら腹の探り合いも続く。
直接のネタに触れずに話すとこんな感じかな。
まあほんとに良く出来てます。
面白かった。