『おおかみこどもの雨と雪』(2012) を観ました。
(2012/08/12 at 新宿バルト9 シアター9)
細田監督は『時をかける少女』は好きで、けど実は『サマーウォーズ』は観ていない。観たくないのではなく、観るタイミングがまだ来ていないというだけだが。
だから、というわけではないのだけれど、実はこの作品も観る気はなかった。
が、劇場で予告編見たら何か観たくなってしまったのだよ。
雪積もる中疾走する子供たちと、同じくして満面の笑顔で疾走する花。
これに心動かされてしまった。
そして実際に観て、観て良かったって思った。
(以降ネタバレあり)
ああ、この人の作った『涼宮ハルヒの消失』も観てみたかったなって思った。(京アニ版ももちろん素晴らしかったのだけれど、それでもこの感性の人に作ってもらったらそれはそれで興味深かったなという意味で。
そして、これで説教臭くもなく押しつけがましくもないって本当に良いな。
ただ感じて思えば良い。
見慣れた土地やいつか観たような場所、そこかしこにあるどこかで出会ったことがある小物たち。
ハヤカワミステリ文庫版「ロンググッドバイ」ってもっと厚かったんじゃないかなというところだけは引っかかったが、それでもそれがその場にあるだけで良い。
全力ではなく、いつも自分らしくある花が良い。
自分の良いところをちゃんと分かっている花がよい。
変わっていく雪、そして雨が良い。
いつか母のようになっていく雪と、父を思わせるものになっていく雨が良い。
好きなもののために一生懸命な花。
それを感じられるのはとても気持ち良い。
時には背景の一部になりながらも、自分を生きていく花が良い。
何かそんなことを考えながら観ていました。