「未完少女ラブクラフト」(2013)を読了。
やはりというかこの作品も、面白いのだけれど読むだけでいろいろなものが削られていくので時間がかかってしまった。
読み始めたきっかけはたまたま読んだSFマガジンの書評で目についたということなのだが、実際に手にして思い切り吹いた。(笑)
この表紙装丁は!
これ観ただけで後は安心して読むことが出来た。
少なくとも私のような表層だけのファンにとっては十分おなか一杯になる内容でした。
マサチューセッツ州アーカムに住む気弱な少年カンナがふとしたきっかけで時を穿つものによって連れ去られた異世界で出会った少女ラブは、言葉の災害により特定の言葉を奪われていた。
そんな彼と彼女が冒険するのはまさしくラブクラフトな世界の訳で、ただでさえごった煮な世界がごった煮でもう単語のひとつひとつで幸福になれる。
それでいてその世界は言葉の災害によりお互いの意志の疎通さえ難しい世界であり、まあ故にカンナにも活躍の可能性があった訳で、といった感じでまあひたすら言葉に溺れることが出来ました。