演劇ユニット 金の蜥蜴の第九回公演「コヒモトメム」を観てきました。
(2014/02/15 at 築地本願寺 ブディストホール)
ベースとなっているのは能楽の「求塚」。
まず、今回は能の謡の部分はさらっとという感じで舞の方もどうだったんだろう。
従来のように見せ場としてじっくりとという感じではなかったように思う。
その代わりと言っては何だけれど、題材が題材だけに古き良き時代の日本映画の匂いがぷんぷんする作品でした。
それはイコール日本の伝統芸能の影響を色濃く残しているということであり、個人的にはぐるっと一回りしている感じでとても心地良かった。
何よりも小夜と古丸そしてあざめの使い方が良い。
これで情念だけでなく無垢の狂気が加わって結果最初から最後まで舞台上を常にざわつかせることが出来てる。
いや、常に猥雑で力強いエネルギーを舞台上に保たせることに成功してる。
もうこれぞかつての日本映画が持っていたエネルギーでしょう。
もうこれだけでも十分だよ。
そして、伊太知の無責任な一言が崩壊の引き金になるあたりもいいなあ。これだよこれ。
こういう縁取りがしっかりした上で成り立つ七人七様の話はシンプルだけれど常に不穏なものに包まれていて良かったです。
これは何言ってるんだか意味不明だな。〉私(^^;
ホント思わず、常に画面に叩きつけられるように描かれるモノクロの世界を観ているような気がしたよ。
楽しませていただきました。