「vN」"vN:The First Machine Dynasty"(2012) Madeline Ashbyを読了。
SFマガジンか何かに出ていた宣伝か何かでまず引っかかって、その後書評を読んで読みたいなと思って手に取ったのだが、背表紙にあった「vNとは何を示すかという説明」で心を射抜かれたかな。
ああそういうことか。
そういう感じに準備は整っていたので後は乗っかるだけ。
そして中盤まで読んだあたりで著者の次作がこの作品の続編であることに気付いた後には果たしてこれにどう続編を付けるのかなという楽しみも増し、最後まで楽しませていただきました。
面白かった。
(以降ネタバレに入ります)
vが小文字でNが大文字、何故かと思えばそういうことか。
かつていろいろな名称で呼ばれてきたものに意志を持った新しい名前が付くというのはいいなあ。
そして5才の彼女が冒険へと飛び出す過程。
想像するにクリオネ状態だったんだろうなあとか、無理なダイエットの飢餓がどう転んでいくかとか、楽しい楽しい。
一方でロボット三原則を如何にして成し得ているかとそれを如何に変質させて新しい理を導いていくかとか。
或いは緑のぴったりとしたジャンプスーツをどう脱ぐのかと思ったらエヴァのパイロットスーツそのままだったり、彼女たちの理想郷な都市はたぶん日本なんだろうとか。
まあいろいろなガジェットが最後にすべて集結して原題の副題にある最初に至るまで、どこに落としどころを持って行くのだか予想が付かなかった。
まあ逆にいうと眠れるネットワークの怪物の正体判明が唐突過ぎたのだけれどね。
読み切れていなかっただけなのか。
後は、映像化された際のエイミーやシャーロット、ポーシャや彼女の母親、そして膨大な娘たちがどうなるのかを想像するのは楽しかったし、それはハビエルのグレードも同様。
それ以前に暴力的というよりは残酷に分類されるであろう部分がどこまでオブラートに包まれるのか包まれないのかが興味があるけれどね。
一方で半ばセクサロイド的なポジションでもあるクレードなのに、一切そちらの方に振れないのも…まあ彼女は5才だしということか。
さあて次回作iDがいつ訳されるのか楽しみです。