「やみのま!」
何気なく今まで聞いていたこの言葉だが、突き詰めてみればこれほどこの言葉を操る少女のことを如実に表すものであったとは。
プロジェクトの核となるNG、ニュージェネレーションズの3人の彼女たちにとって本当のデビューまでを描いたことで前回一段落したこの作品だが、これから描かれるのは後に続く子達のエピソード。
その一人目はたぶん彼女たちの中で一番話すことが苦手で、それが故に自己主張を別の形で取っていた少女。
コミュニケーションで失敗したプロデューサーの改めての一歩めとしてまずこの子をプロデュースする事を選んだのは、たまたま最初から計画されていたものであったかもしれないが、最良の選択であったと思う。
これは彼女たちに対するPにとっての今までと変わった事を意思表示すると共に、実は一番ナイーブなこの子を早いうちに置いていかれたと思い込ませることなく、全員を次の段階に持ち上げたいという明確な意思表示でもあったように思う。
そうして取り上げられた蘭子だが、ホントにこの子が如何に魅力的であるかということを十分にアピールする回だったな。
ある程度は事前にこうではないかと思っていた彼女の事が一段深く知ることができたように思う。
もっと薄っぺらいのではないかと思っていたんだよな。
作中に於ける彼女の立ち位置や存在意義は。
「闇に呑まれよ!」
今回のエピソードを見たことで、この言葉が「おやすみなさい。また今度お会いしましょう。」と聞こえるようになったもの。本当の意味で。
一方真ののヒロインであるPに関しては、やはりというか思っていた以上に蘭子のことを理解しようと今までも彼なりに努力していたことが良く判ったし、前回までを踏まえてどうやって一歩先に進んでいくかをみせて貰える回でもありました。
14人もの王子様達にエスコートして貰えるのだもの。
ここまで安心して前に進めるだなんて今まで無かったんじゃないかな。
その中でも今回は口下手で自分に、そして同様の意味で対象である蘭子に近い凛が最後の一押しをしにくるあたりがまた憎い。
以前の同じ様なシークエンスとは明らかに違う今回という演出。
本当にこの作品は丁寧に作られている。
しかし言われてみれば当然であったのだけれど、彼女たちのうちの何人かは寮住まいだったんだな。
最初の3人がそれぞれ好対照な実家通いだったので変に錯覚していたよ。
そして最後のPの一言を発せられた相手がプロジェクト最年少のみりあであると同時に、その意味を考えるとまた深い。
いや多少は反応していたのは気づいていたが、まさか完璧に理解していたとは。
作中の他の12人と同様にびっくりしたよ。(笑)
さて、今回のデビューの仕方で次なるエピソードは個人クローズアップではなくたぶん次にデビューする3人組2組のうちのどちらか一組なのだろうなと思うと同時に、たぶん作中で一番軽い扱いになるのはやはり既にデビューしてしまっているものの取り上げられ方のついで感が半端ではないラブライカの特にその片割れ、新田美波なんだろうなと予想するが果たして。