ヒューゴー・ローカスのダブルクラウンを飾ったJohn Scarziの「レッドスーツ」"Red Shirts"(2012)を読了。
銀河連邦の旗艦イントレビット号に新たな乗組員として赴任したダールは、ある異常に気付く。
というわけで、確かに主役でない物達にはたまったものではない世界から、いかにして自分の人生を勝ち取るかの物語。
映画や他作品などに対する愛に溢れている作者が今回題材にしているのは赤いピチピチのスーツを着込んだ彼ら。
そこから一転メタな話になったかと思えばさらにその先へのドンデン返しで思わぬ方向へ。
となるかならぬかは読んでのお楽しみ。
正当派バカSFである一方で少なくとも落としどころは最後まで読めなかったな。
あともう一つ言えばオマージュに徹しすぎるあまりこの作品としての個性は薄らいでいる感あり。
それはちょっともったいない気がした。
いやそれともそれを出そうとした結果こうなってしまったのか。
映画だったらこういうタイプの作品は好きなんだけれどなあ。
描いているうちに別のものに目覚めてしまったかのような作品。