おうぎフォーミュラ。
いろいろな意味で今へと繋がるきっかけを作り、かつ最近にしては珍しく、文字通り物語の最後までアニメとしても語られることになったこの物語シリーズもついに終物語に突入。
今まであまり語られることのなかった暦の過去に関わる物語の発端がこのおうぎフォーミュラ。
まあ俗に言う孤島だったり雪山だったりするシチュエーションはこのシリーズでは初だけれど西尾維新としてはむしろ得意分野じゃないかというくらいのこの話。
この枠に納めるために技法として今回もアイコンとしての文字が使用されていたわけだが、今回はあの畳みかけるような文字の洪水が別の形で押し寄せる。
テレビアニメとしてまず身を任せて、その後どこにそれが隠されていたのかを想像するのが楽しみなのだが、たぶん最初からヒントは提示されていたのだろうな。
あっさり過ぎる謎解きに至ったのは実は正解だと判るのが真犯人が真犯人だったからなのだが、叙述トリックがネタだと判った時点でもう犯人が判ってしまうのは鶏と卵、どちらかが先なのかという世界。
元々がネタの半分はメタなのがメタとネタが一文字違いなのときっとどこかで関係があるのだろう。
で、老倉育。
王道キャスティングが結果として次回以降に結びついてどうなるのか。楽しみだ。
詰まるところ、かつて正義の味方であった暦の価値観をズタズタにしたこの物語。
最悪だったその結果が物語の針を進め始める。