『ガールズ&パンツァー 劇場版』(2015)を鑑賞。
(2015/11/21 at 立川シネマ・ツー aスタジオ 極上爆音上映)
期待はしていたが、ここまでやってくれるとは。
さすが水島監督!
まさに映画館で観るための作品。
そして観たいものを明確に的確に揃えて見せてくれる。
これぞ最高のアトラクションだったな。
そしてシネマツーでの極上爆音上映は初めてだったが、たしかにこれは単なる爆音ではなく、ベストチューニングされた音響環境下での上映というのが相応しい。
センシャラウンドファイナルと言っていたのも納得だわ。
初めて観る人たちのための3分間の講座もとても判りやすくて、この作品を楽しむための最低限の知識が整っていた。
うん。
これらすべて最低限これだけは欲しいよねと本来望んでいいものなんだよね。
それがすべて揃っている。
さて、それではもうそろそろ内容に触れよう。
冒頭はテレビアニメ最終回の続き、全国大会で優勝した大洗女子がチハタン学園と組んで聖グロリアーナとプラウダ組とエキシビジョンマッチを行っている所から始まる。
珍しく大洗組有利な状況。
ここからテレビアニメを彷彿とさせ続ける戦いが始まる。
大洗という一つの街を今まで以上に生かし切った精密で巨大なアトラクションなこの第一戦目のホントに濃いこと。
話の流れからもフラッグ戦がどういうものかとそれぞれのキャラクターのなんとなくな紹介。
お互いのピンチとチャンスの果てには一つの様式美。
一方でこれはテレビアニメで見たものの轍を踏めば約束された勝利のための縁起物みたいなものだからなあ。
完全な信頼を得たみほの元にチハタン学園というお荷物を積んだある種のハンディキャップ戦の結果でのこれはけして悲観的なものではない。
だがしかし。
何この底なしの罠は。
あがいてもあがいても先が見えない。
4倍近い数の差の上にそれ以上の基本的な性能差と経験の差。
まあそこに至るまでの一転して牧歌敵なあれこれもまた良かった。
それまでとは打って変わっての自然との触れ合い。
少しだけここに至った本来の姿を見せるみほ。そしてまほ。
まあこれがラストへの大きな伏線に繋がるとは思っても見なかったよ。
そしてもしかしたらオトナ帝国って水島成分のほうが強かったの?
なあんて思いながら見ていた。
話戻して、3番目の大きなシークエンスとなる対大学選抜戦。
ここに駆けつけたメンツも含めたこの最後の戦いは、確かに冒頭が前哨戦に過ぎなかったことを感じさせるのに十分過ぎるくらい濃かった。
ホント何という戦車への愛情。
そして数多の作品へ惜しみなく注がれる愛情。
私は一番分かりやすい1941ネタくらいしか判らなかったけれど、徐々に言葉少なになって、まるで子供の頃のように遊ぶ西住姉妹に至る姿は、もう涙なしでは観られなかった。
それが彼女の強さの源。
しかしテレビアニメ放映当時まさかと予想していたけれどさすがに出さなかった反則兵器やら、形式説明前の前振りを見事に生かしたあれやら繰り返しとなりながらそれが形式美となりテンポを生み出す各チームの戦略の数々がまた涙腺を刺激する。
プラウダチームのあれってまさに昨年の黒森峰プラウダ戦のあれな状況で、そこに涙するのがよりによってカチューシャだなんて。
サンダースのあのろごはあきらかにサンダーバード意識していたりとか。そういえば各校が集まるシーンのばらばら
っぷりがまた良かったな。
それこそチハタン組の夜行列車に至るまで。
もしくは継続高校のあれはもういろいろと反則レベルだったり。
何だろうもう一つ一つが愛おしい。
ホント凄いな。
ここまで待った甲斐があったものです。