生めかしい光の残滓と、届きそうで届かない、思い出せそうで思い出せないつかみどころのないもの。
今まで見た新海監督の作品の中では一番色濃い作品だったな。
初めのうちはけっこう時間軸いじった作品になるのかなと思っていたらそうではなくそういう仕掛けだったのかと気づく。
発想が懐かしいというか若いんだよな。
それも含めてムズムズさせてくれる。
今まで見た作品すべてに言えることだが、今までで得たものが近いのだろうな。
それを共感と呼ぶのならそれが一番近いかも。
但し選択する道はちがっていて、故にまるで夢のよう。
思い通りにはならないのに、まるでそれは最初から決まっていたかのようにしっくり来る感覚。
まあ突っ込みどころは山のようにあるのだが、夢の中だもの。
そんなことよりこの胸の中に残ったムズムズモヤモヤのほうが重要だ。
彼らもまた一生思い出せない何かを持ちながら、それをいつか本当に忘れてしまうのだろう。