2017/11/02

『ブレードランナー2049』"Blade Runner 2049"(2017)

『ブレードランナー2049』"Blade Runner 2049"(2017)
(2017/11/01 at TOHOシネマズ日本橋 スクリーン7)
もし続編を作るのであれば10年前に邦訳も刊行された「ブレードランナー2」の映画化であると思っていたので今回の2049に関しては当初かなり懐疑的でした。
そして今回は早々に席が埋まっていたということもあるけれど月始めということでプレミアシートでの初鑑賞となった。スクリーンに対してはメチャメチャ良いポジションだったし、ゆったりできたのだが両サイドにあるついたてで思い切り篭ってしまっていたのが何とも。
ただし、今回に限って言えば周りから隔絶された感じか作品にマッチしてかえって良かったように思った。
集中は出来たからね。
と、これだけ無駄話をしておけばネタバレしても大丈夫かな。
その前に一言だけ。
予想を大きく超えて楽しむことができたし、これからも楽しめる作品でした。
(以降ネタバレが入ります。)
前述のような心持ちで望んでいたということもあるかも知れないけれど、まさかこんな手で来るとは思っても見ませんでした。
元々の原作である「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」ではなく『ブレードランナー』の続編としてというのはあるかなと思っていたけれど、まさか前作を一回バラバラにした上で新しい血を注いで再構成したものを続編として成り立たせてくるとは思っても見ませんでした。
ここまで前作に愛情溢れるものになっていようとは。
冒頭の目は素直に喜んだものの、明るい場所でのシーンが始まったときには少なからず違和感を受けたし、前作の世界が一回壊されて別のルールの世界になっていたのには少々戸惑ったものの、それがどんどん結実していくに連れもう何も言えなくなってしまいました。
その後も例えば二人が格闘している最中に背景で溺れかけているデッカードとか、出会ってそうそう格闘に入った後に酒でも飲むかになるくだりとかレイチェルのあのシーンで急に人形臭くなったりとか思わず突っ込みたくなるところは多々あったけれど、KがジョーになってまたKに戻っていく様なんかはもうなんとも言えないし、ARと生身の整合しそうでしない部分が後に伏線と化したりとか、もう読点付けるのがもったいなくなるくらい何から何まで大好きだ。
レプリカントの先の話として、AR持ってきたり、さらに彼らの子という存在が何をもたらすかという着眼点がまず目からウロコだった。
最後にその後どのような事態になるかというリスクを冒してまでもデッカードを彼女の元に連れて行ったのは、彼女と記憶を同じくするものとしてそうしたかったからそうしたのだろうな。
そうそう、ウォレスを通して改めてタイレル博士が天才であった事が証明されたということがなぜか嬉しかった。
どちらかというとウォレスの小物感が出てきたことに気分を良くしただけかもしれないが。
ということでとりあえず。