「妹さえいればいい。7」(2017)平坂読
晴れて恋人となった2人のその後と周りの反応。そして一巻からその存在が示され続けていた今は無き作家の過去について。
この2つをこう繋ぐのか。物語のトーンを自然に変えた上でそこに乗っかる形で出してくるとは。
それまで持っていた彼女に対するイメージとは程遠かったことにびっくりもしたが、故に抱えている問題の重さも感じられるようになっている。
彼女達の反応は思ったよりは小さかったが、それでもやはりダメージは受けているし、故に未来に対する予感も感じさせられる。
ハルトがまた意外だったな。しかしながら創作に対する真摯な態度は最初からだったのである意味当然と言えば当然なのだが。
新人二人もハルト伊月那由多の三人に対する今の距離は彼女たちにとって理想的。まだ海の物とも山の物ともつかない彼女たちは今後どうなっていくのか。
同じ新人でもその対極的な存在である蚕みたいな子にとっては今の関係が理想的だよな。見た目そうは見えないのだが。
今回のゲームはたほいや。道具も下準備も一番お手軽でさらに作家相手にはやりたくないものの、ダメージは少ないかな。
話戻ってバラバラと思っていたキャラクター達がまた繋がりつつあるその中心たる幽の存在は彼らの未来にどう関わってくるのか。
私はてっきり、実は千尋の母親かもしれないと思っていたがその線は消えた。故に伊月の家族関係が今後どうなっていくかまた読めなくなったんだよな。
千尋という爆弾の使い方もどこまで効果的に作用するのか分からなくなったし。
その時の緩衝材として那由多が必要になるという事なのだろうが。
ボーナストラックに関しては声優確定してるからこそのネタを拾ったりとかのカモフラージュはあるものの、各登場人物やこの作品の紹介として非常にうまく出来てるなと思いました。
ある意味これもTTRPGの変種みたいなものだしと本末転倒なことも考えてみたりする。