「メカ・サムライ・エンパイア」"Mecha Samurai Empire"(2018)Peter Tieryas
一人称表記で綴られる文章が進む中、初めてその主人公が自らの容姿に関して触れるタイミングが秀逸。
前作に対して、一番最初に受けたイメージはむしろ本作に近かったかもしれない。
逆にそのくらい前作の内容は意外だったのであるが、本作はその分期待に応えてくれている。
終始糞みたいな状況は前作同様。作品としてのテイストとして成立している。
その中で前作から引き続き登場する数人が作品の良心として安らぎを与えてくれる。
物語全体がどのような形になるかは最初の章で見えてくる。そこに向かっていることを意識させつつ物語は進んでいく。
この作品の持つ世界の違和感は作者自身が異邦人であるからこその外の視点であるからこそのアンバランスさが良い感じに作用している。
なおゆきやら智和、みやざき、あんの、しろう等など元ネタが判る名前がポロポロと。
そして改めてとなるがこれでもかとばかりのロボバトルがどれも秀逸で最も各キャラクター達を表しており作品の大きな柱になっていました。
これからが彼らの始まり。
期待しています。