(2019年5月5日 全労済ホールスペース・ゼロ)
題材に舞台が大きく関わっていると言うことで舞台との相性は良さそうだなと思っていたのだが、劇団東京都鈴木区の演出家鈴木智晴が脚本演出というのも前から気にはなっていた人なのでというのが最後の後押しになったかな。
(以降は鑑賞後に追記)
さて、あの作品をどう2時間にまとめて、そしてどこまで描くのだろうかなと思っていたのだが、そう来たか。
上手く色々なものを整理してまとめたなあ。
これだけだとそれぞれの意味は当然変わってしまうのだが原作を知っている人向けに割り切ってシーンを描ききる事に費やされていたかな。
君にふれてをあそこにぶち込んできたのは面白かったなあ。少し鳥肌たった。
好きな曲なだけに余計にね。
そして舞台が近づいたところで今までのわりとフラットな芝居からちょこっとだけより芝居的な演出を入れ始め、これからだよとエクスキューズを入れたところで劇中劇であった舞台が今現実に目の前で繰り広げられるという至福の時間が。
学生劇ということで途中まではBGMも入れずスポットなども使い始めてとてもらしいのが良いなあ。
原作よりちょっとだけさらっとまとめたところがあったのだけれどたしかにここはさらっと流した方が芝居としてはメリハリついて良い感じだったな。
原作は原作で重要な部分なのでしっかり描かれていたのは良かったのだけれどね。
そして話は進んでいき単行本の更にその先へ。まとめるとすればそうなるか。最後は再び君にふれてが流れて終わり。
キャスト挨拶が終わり最後に二人が手をつないでヘクトパスカルで締めたのは嬉しかったな。
さて、やはりアニメ化された作品ということで台詞回しなんかは既にしっかり耳に残った状態での舞台と言う所をどうしてくるのかなと思っていたのですが、特に燈子は寿美菜子
そのままの回しが多かったかな。まあそれが正解だと思っているので正直嬉しかった。
全体的に早い展開の中で槇くんと堂島の二人が少し余裕を持った演技をしているのが良い感じのアクセントになっていて良かった。
さあて残すは原作最終巻だなあ。
あと約半年後が楽しみです。
(更に追記)
う~~ん。上手く言えていないなあ。
この作品、あくまでも私見だがこんな感じだったと思っている。
・劇中劇がメイン。
・ただしそれだけではなくそこに至るまでを同じ役者が演じたことで、劇中劇に入った瞬間に観客達(観ている私達)はその劇を見る観客として劇中の登場人物化しているとより錯覚させられる。
・実際、劇中劇が終わった瞬間に自分達は観客という名の演者として拍手すべきかどうか悩まされた。
あまり数多く芝居を見ている人間では無いので、これが他の一般的な劇中劇での手法かどうかは知らない。
ただそういう意味でこの芝居はよりその場で見ることに意味がある芝居となっていると強く思った。
よりその場で体験することに意味のある芝居と言う事で実際それを体験できて良かったと思う。ホント、面白いことを考えるなあ。
更についでに言うと、
・劇中劇の終了のその後を描くことで、劇中劇以前の彼女達にも意味があったと言っているようにも思える。
・それは劇中で侑が燈子に伝えたかったことの様にも思え、ここでも芝居と現実の境界線を曖昧にすることに成功している。
そうそう、踏切や侑の部屋でのキスシーンになるとわかり易く会場の空気が変わるのが面白かったな。
それは都さんたちのも同じことで。
各キャラの身長差も割と再現されていてよかったな。
一部足元に秘密がありそうな子達もいたが。
それ以外の体格差に関しても...。