『ふたり』(1991)
(2020/09/21 at Blu-ray Disc)
もしかしたら20年近くぶりの鑑賞になるのか?
最後はレーザーディスクだったけれど、完成披露試写会か何かに当たって観て、それからロードショー公開時には毎週観に行っていて、それ以前にはNHKバージョンもリアルタイムで観ていて、小説もハードカバーで買って、主題歌CDシングルも買ってというとても思い入れ深い作品。
昔観た時はほぼ大林宣彦作品だなあと思って観ていたが、特に締めなんかは間違いなく赤川次郎だよなあという事を強く再認識させてくれる。
あ、だからEDはふたりだったのか。久石譲を代役としてみれば2人の共同作業と見ることもできるか。
冷静に観てみるとキャラクター達の感情を引っ張り回す事象の連続は間違いなく
赤川次郎のものなのだけれど、それを大林宣彦フィルターで観ている感じが強いか。
大林宣彦のアプローチで見ているという言い方が良いのかな。少なくとも他の大林作品と比べて予想以上に原作を大事にしていたんだなと思った。
情に振り過ぎる部分は大林寄りだが、それほど多くはない。
あと、やはり少なくともこの劇場版の方はブルーレイで観るべきではなかったかな。
それは少なくとも昔の大林作品全般に見られるテレビ的な合成がやたら目についてしまったりとか。
そこは、やはりフィルムで…という意味ではもはや見る機会はないのかもしれない。
そういう意味では特典として付いていたメイキングも見るべきではなかったかな。
たしか当時もメイキングはあったような気がしたが2001年に制作されたそれはたぶん撮影当時の大林宣彦とは違う大林宣彦だったように思う。言ってる事は当人らしいのだけれど、より思い詰めた感じになってしまっているのが観ていて辛かった。
そんな若い歳に撮った作品ではないのに今観ると若いなあと思えてしまうのはこちらの視点がどんどん離れていったからだろうか。