(2023/09/17 ザ・シネマ放送版)
ジュリエット・グレコが本人役で歌っているのがまた良くてね。
というほど実はこの作品を観ている訳ではなく、たぶん初見がジーンセバーグが亡くなった時にテレビで放送されたのを観て以来。(だと思う。)
原作に造詣は無く、接点としてはそのタイミングで観たという事とジュリエット・グレコのこの曲が好きだという事くらいかな。
現在がモノクロで回想がカラーというのはカラーパートの表現力の粗さが当時のカラーフィルムでの限界でもあるという意味でも良い味を出しているのが好き。結果的にはその時にしかできないものが作品に味を出す、いや文字通り色を残すという所。
さて、久々に観た感想だが、初見時の年齢でこれを面白いと見れるほどではなかったかな。
そういう意味で今回観た感想はといえば、あのラストシーンに持っていくまで素晴らしさよ。
過去と現在を提示しながら、その違いと、一見変わらないものとがそこに集約するのかという所。
彼女もレイモンもそれを微塵も感じさせない、いや、けど何か違うというのがねえ。
個人的には彼女が見ているものを一切見せずに彼女の表情と聞こえているものだけを延々と提示しているシーン。そしてラストシーンに尽きるかな。
誰にも悪意はないし、悪意とも感じていない中で、それが何をもたらすかも想像せずにいた結果なんだよなあ。