(2024/02/18 Amazon prime)
本作の存在を知ってからもう20年以上経つのか。
それからまさか結局観ることなくこれだけの時間が経って、そして出会えるとは。当時この新作を本当に楽しみにしていたものな。
ということはさておき、今観ても、いや今だからの面白さもあるのかな。
厳密に言えばこのシモーヌ程ではないがモーションアクター的なもので当時既にアンディサーキスがやっていたゴラムがこれに近いと言えば近かったし、それより後の時代となるがホログラムのライブという意味では既に初音ミクどころかVtuberが単独で武道館ライブとかどころか、中の人がいないAI的なものまで今や身近な所まで来ている今となっては、この作品の顛末すべてが微笑ましい。この頃だったからこそ成立できた作品だもの。
という所もさておき、作品としても堅実で好みだ。
娘の存在がどういう形で救いになるかの匂わせも最初からあったし、彼女が見ていたページがピュグマリオンという匂わせとか、女優の膨大な資料の中で見間違いではなければアーネストボーグナインがちらっと見えた気もしたし、監督の作品全般に流れる実現可能な未来の匂いもそこかしこに感じるし、何よりもアルパチーノが本領発揮しているものな。
芝居じみた演技より自然過ぎるくらい自然な演技が本来の彼の魅力だもの。
監督共々ノってるなと思った作品でした。