たぶんリマスターもしていないこの時代のフィルム作品の質感。
この作品に対するその後の扱いを思うとなかなかに感慨深いものがある。
かく言う私も公開時以来久々だったりするが。
そうして始まった作品の頭出しは今観るとホント20世紀の映画だよなあと思うシークエンスの数々。
まあ、だけれども、それでもこの作品面白いよ。
こんなのゴジラじゃないと言われたゴジラなこの作品。
それを逆手にとってのゴジラの制約から解き放たれた数々。その一番大きな所は神格化されていない所で、だからこんな事が出来る。
事前予告の数々がブラフであった以上に実はゴジラではなく"It came from sea"がやりたかったのだろうなあと思えるだましっぷりは、同時期に『地球最後の日』のリメイクが結果的に『ディープインパクト』になってしまっている事を考えるとまた面白いし、そういうの全部置いといたにしても、何よりもゴジラを含めたキャラクターの動かし方の面白い事。タトプロスが軍から自称保険屋達サイドに軸足を移す所とかそれによって産まれるシチュエーション、市長の言う様に街壊しまくってるのはゴジラと呼ばれている生き物ではなく軍の方だったりとか、馬鹿みたいにウヨウヨいるアパッチとかの果てに最後は追いかけっこ。
ホント楽しいんだよねえ。