「逆想コンチェルト 奏の1」(2010)
2点のイラストを提示された作家がそれを元に短編を書き、それに対してイラストレーターがもう一点のイラストを添えることで雑誌に掲載。
この手法でSFジャパンと問題小説の2誌をまたいで連載されていたのがこの逆想コンチェルト。
奏の1の各作品の感想など。
神林長平。 ストレートで来たなあ。
山田正紀。はまた「らしい」一編。こういうところが好きなのだ。そして田中啓文は初体験だがある意味イメージ通りの一品。この俗っぽさが好きな人は好きなのだろうなぁ
久美沙織。読むのは小説コバルト以来…と思ったが考えてみたらSFバカ本もあったような… それはさておきまたとてもらしいといえばらしい作品 …ってさっきから同じような感想ばかりだw
林譲治。文章初見。 話そのものは面白いのだけれど、そこに至るところが大雑把なのは残念。
梶尾真治。さすが短編の名手。うまいとしか言いようが無い。
新井素子。久々に黒い新井素子を見たなぁ。というよりは星新一テイストがかなり入っている。
図子慧。いきなりの見知った風景からずれた未来へ。効率良くインパクトのある描写で一気に読ませてしまうあたりが良いなあ。
篠田真由美。そう来たか。オーソドックスなのに新鮮に感じる。
菊池秀行。考えてみれば今までこのパターンがなかったのが不思議。まあこの人らしい話だわな。
浅暮三文。冒頭三行で何を物語るか提示してしまうところは見事。さらにオチまでも提示していたことに気づかされるラストにまた感嘆。
飯野文彦。意外なことにイラストレーターに対する挑戦状的な構図を取ったのは一人だけでした。BOX IN BOXの構造をとったのも飯野文彦だけでした。
で、余談にはなりますが、短編の感想とtwitterは結構相性が良いかもしれない。(今回の各人への感想はすべてtwitter用に整形したものをベースに使用しています。)
まぁそんな感じで楽しめたので、奏の2も楽しみです。