『プライベート・ライアン』を久々に観ました。(2010/09/26 at 渋谷TSUTAYAシアター シアター1)
この日は、このTHX認定スクリーンである渋谷TSUTAYAシアター、シアター1の最終上映日。
2006年1月28日にQ-AXシネマ1として当初からTHXの認定を受けオープンしたこのスクリーンをなんとか滑り込みで体験する事が出来ました。
『プライベート・ライアン』。しかもまさかの爆音上映。
いやホント、このハコのスペックを堪能させていただきました。
上映中の暗闇さ加減といい、映写室・スクリーン・座席との関係といい、ハコの大きさと相まって実に心地良かったし、爆音にも関わらず(ハコに似合わない音量何度も体験している身としては)ここまで歪み無く鳴る気持ち良さ!
これまた初体験のTHXトレーラーパレードから始まった『プライベート・ライアン』ですが、冒頭けっこうな量の傷に経た年月を感じさせられたものの、そんな感慨に浸る間もなく血のオマハへと突入。
しかも爆音。
何かもう本当に凄かった。
もう12年も前の作品だよな?
目を背けたくなるほどの生々しい血みどろさ加減と途切れる事の無い地獄。
このTHX認定スクリーンでの爆音って形態こそ、この作品の本質を伝えられるんじゃないかと思った。
それほどまでに鮮明で、からだに響いてきた。
で、その地獄な序章を終えて始まる物語には、初見及び2回目に観た時には感じなかった事を感じた。
過去には感じなかった若さがそこにあることを。(もしくはあったことを。)
例えば、トム・ハンクス演じる中隊長の迷いや決断は普通に思えた。
けど、今観るとそのトム・ハンクスをむしろ若いと感じるんだよな。
当時のスピルバーグとの歳の差と今の歳の差によるもの?
もしくは当時の自分の歳と今の歳による歳の差?
正直いって今まではここまで「当時」と「今」の差というものを感じる事は無かった。
けれど、今回それをある意味思い知らされた。しかもこの作品で。
それを「今」観ても鮮明に見せてくれたのはこのハコの力。
この場に居合わせる事が出来て良かったよ。
フィルムは年を取らないんだと強く思った瞬間でした。
そして、唐突な邂逅(ここで邂逅がある事をすっかり忘れていた)から物語はクライマックスへ進み始める。
そして、実は当時衝撃を受けた冒頭の15分よりも凄まじい戦闘が始まる。
冒頭とは比べ物にならないほどの低音の暴力。
いや本当に凄まじかった。
けど今回一番気に入った所はさらにこの先。
ミラーが爆風で耳をやられてそれまでの音の嵐が一転静かになる。
初見は立川のシティ2だったからこのあと耳が復活するまでの間もかなりいろいろな音が入り乱れていたのは覚えている。
ただ今回、全体の音量が上がっているせいかかなりはっきりと聴こえる。
ただし…が付いて何か逆相のような変な感じ。
あれ?ホントに何か耳が不思議な感じになったのが面白かった。
というか、もしかしてこの作品のサウンドデザインって、この音量を想定してたのか?ってくらいなハマり具合。
そういうところでも、この作品をこういう環境で聴かせるということに対するセンスの良さを感じました。
いや、本当に良かった。
これを二度と感じることが出来ないであろう事が残念でなりません。
ただし、次の回を観るには腰も限界に来ていたので本当の意味での最終回は観ることが出来ませんでした。
二度観るにはちと疲れ果ててもいたし。
話変わって今回の上映、意外なくらい若い子たち、せいぜい20代前半くらいの子たちが多くてびっくりしました。けっこう初見の子も多かったみたい。
ううむこれは私が最近映画館に足を運んでないからなのかこの作品この劇場に対する興味からなのか。
こういう微笑ましい状況で観る事が出来たのも今回とても良かったです。