実に久々に、「ヴァーチャル・ライト」を読了。
橋上三部作(というよりはトマソン三部作の方がしっくりくる)の三冊目を借りてきたのは良いものの、前二作ともすっかり忘れてしまったので引っ張り出したという感じだが。
さて、まあ読み進めるに連れて思い出していったものの、けっこう忘れてるな。
冒頭数章がクライマックスの仕掛けに繋がっていくくだりなどはすっかり忘れていたわ。
おかげさまですっかり楽しめました。
アイフォンなんてものが出てきていたのも忘れてた。
もっとも、iではなく、たぶんeyeとかなのだろうけれど。
極近未来な設定なのでたとえばVLグラスなんかは、ARの延長線上の話とかを組み合わせればかなり現実的な話。
ところにより現実が追い抜いているものがあってもおかしくない。
ただ幸いな事にゴールデンゲートブリッジも東京も無事であることと、やはり9・11はこの手の小説に触れる上での時間軸の変節点になっていることを再認識した。
実際後で読む予定の次の三部作はよりSF色はなくなっていると聞いている。
読むのが楽しみである。
で、本編に関してだが、宗教的なアイコンが物語のある部分を占めているためか、ニューロマンサー三部作と比べてもかなりディックな香りが強い。
かといって模倣ではなくギブスンのカラーを保っている。
この立ち位置が好きなんだよなあ。
というわけで「あいどる」へと続く