「涼宮ハルヒの陰謀」(2005)を久々に読了。
雪山の事件から帰還したキョンは今まで未来に預けていた「事後処理」を早々に済ます事にした。
と、この長編の中でわざわざこれを序章にしたことに何の意味があったのか。
それに気づいた時にはすべてが明かされた後であった。
たぶん意図してやっているのだろうなあ。
その一つ一つはまだ見ぬ未来への伏線であったり過去からの伏線回収であったりもするのだが、実はそれこそが大いなる叙述トリック。
実は何故ハルヒが普段と違うようにみえるとキョンが感じたのかを話の中心に持ってこないためのトリックだったりしたのでした。
そしてそれは、そのハルヒ自身が言ってみれば「その事がメインの話じゃないんだからね」と言い訳しているかのよう。
そして語り部たるキョンも十二分に照れ隠しな叙述をする奴なのでますます判りづらいときている。
私は最初、あれ?ハルヒの誕生日2月なのか?と完全に勘違いしてしまったからな。
いや実はもしかしたらそうなのかもしれないが今のところ推測でしかない。
そして一方でここのところマスコットでしかない未来人朝比奈みくるの活躍回としてもすっかり機能しているのでした。
というか初見ではそれしか考えられなかった。
けど今回はしっかりハルヒの意志を受け取れたような気がした。
くっそう、初見じゃないのにすっかり騙されたぜ。