「愚物語」(2015)西尾維新を読了。
完結した「物語」シリーズの番外編にしてその後の物語。
シリーズの主人公であった阿良々木暦は出て来ない。
ただ今回の主役である3人のヒロイン達の心に非常に大きな影響を今でも与え続けている。
そだちフィアスコ。
生きる事に対する不器用さでいえばこの娘がぶっちぎりなんだなということを思い知らされた。
老倉育
この娘の一人称は怖いなんてものじゃない。
目隠ししたままジェットコースターに載せられて後悔し続けている。そんな感じだった。
ただいつか、少しだけでも良いから幸せになってほしいと思う。
するがボーンヘッド。
二人目の愚か者は神原駿河。
完結後も触れられなかった謎。
何故神原駿河には扇が男の子として具現化していたのかということに対する回答。
そしてあの後も駿河のところには扇がいた事に対する回答でもあるのか。
しかし、臥煙遠江や沼地鑞花と同じ道を歩こうとするのか。
寄りによってそれを選ぶのか。
つきひアンドゥ。
阿良々木月火の愚かさはまた別のもの。
その雄大な深遠の一部を同じく不死にして愚かというより学習能力のない斧乃木余接が語る。
いやあ死ぬかと思った。
確かに愚かだった千石撫子がこんなにも幸せになっていたのが救いだった。
一番未練のない存在になったんだものな。
さて、シリーズは完結したはずなのにどうやら物語はまた主人公阿良々木暦にもまだまだ休息を与えていない模様。
果たして彼にも番外編が訪れることがあるのだろうか。