2023/09/24

『007/私を愛したスパイ』 "The spy who loved me" (1977)

 『007/私を愛したスパイ』 "The spy who loved me" (1977)


(2023/09/24 グランドシネマサンシャイン シアター6)

シリーズ60周年記念上映での鑑賞。

4Kレストア版。

初見はロードショー公開時。

映画館での鑑賞はそれ以来だから約45年ぶり。

ついでに言えば、初めて映画館で観た映画ではないが映画というものが好きになったきっかけの作品。


さてまずレストアっぷりだけれど、昨日観た女王陛下よりは全体のバランスは取れていた。その代わりと言ってはなんだけれど息を呑むようなという感じのカットもなくというのはサイズ由来のゴニョゴニョな部分があるのかな。それ以前の話として、思い出補正に敵うものはなかなかない。


とは言ってもエスプリのカーチェイス(される方)4連発は見応えあるし、初登場でのQとあの車のスケール感のおかしさから堪能したし。

ユアアイズオンリーにも出てきたゴーゴル将軍との会話で原潜ポチョムキンが消息を絶ったとの台詞に対して、「sabotage?」と返す所や、ララのテーマ、ロレンス等のBGMの使い方、カイロのシーンは同時期のアレかなとか、果てはエスプリ上陸がアレだったり、そこに関してはそもそもリチャードキールの役名があれな上に最後にはだからねえ。

そして007におけるパインウッドクライマックスなタンカー内の英米露の共同戦線っぷりとかは、そう、これが私にとっての007のスタンダードなんだよなと思い返したりとか。

記憶との対比で言えば、この作品に関しては観た回数よりもサントラ聴いた回数の方が遥かに多くて、故にJames Bond'77には特に反応してしまう。

ああ、そういえば慰めの報酬はあのシーン思い出したよなあとか。

今回改めて思ったのは、本質的に怖いのはスペクターなどよりもこのストロンバーグのやっている事だし、前述のゴーゴル将軍がアマソワをボンドと組ませたのは、少なからず彼女の恋人を誰が殺したかわかった上でやってるあたりとか、こういう見方はアレだけれど、前作でB級ホラーで名を馳せたクリストファーリーに引き続いて、一時期ドイツ軍将校といえばだったクルトユルゲンスというのがまたね。

個人的に好きなのは、アバンで鹵獲された英原潜の艦長がなかなかにカッコ良いのだけれど、解放されてからの出番がと、対して米原潜の艦長はとか。

何はともあれ思い出の作品。45年ぶりの再会を楽しませていただきました。