というわけで、引き続き「裏小倉」掲載の筒井康隆全集第十九巻
の感想など。
「12人の浮かれる男」
筒井流12人はこう来たかという感じ。伏線も見事。
「ヒノマル酒場」
何が起こるかと思いきや…。それでいいのかという終わり方がまた
素敵。
「発明後のパターン」
うむむ。パターンと言えばパターンなのだろうなぁ。
「善猫メダル」
オチはやはりそうなるのかぁ。とはいえ読ませてくれる。
「前世」
テイストは「善猫…」と同じだが、これはこれで面白い。
「逆流」
そうか、気がつかなかった。(笑)
「死にかた」
まぁまず死に方ありきなのだろうが、ここまで引っ張って読ませる
のはさすが。こういうのホント好きだよなぁ>筒井
「こぶ天才」
このネタだけで物語にしてしまうところは見事。
「裏小倉」
(うらこくら)だと思っていました。(笑)
お、だんだん筒井的展開が見えて来たぞと思ったら、あれ、結局
そっちにいってしまったのね。という感じ。
あれがオチに使われるだろうなぁと最初に思ってしまったのが
そのままだったのもちと残念でした。(^^;
「上下左右」
これぞ本領発揮なんだろうなぁ。くだらないんだけれど好き。
「三人娘」
すべて一筋縄じゃいかないキャラクタ作りが見事。
このオチをぱくってたマンガを昔読んだのを思い出してしまった。
「廃塾令」
こういうのホント好きだよなぁ>筒井康隆
「ポルノ惑星のサルモネラ人間」
本巻掲載の短編中では一番の作品。
これぞ筒井SFな話でした。
で、「エディプスの恋人」
久々だったので忘れているところもけっこうあったが、これを読
むと七瀬って本当に筒井康隆にとって特別なキャラクタなのだな
と思う。
この作品中における七瀬はある意味「…ふたたび」以上に残酷な
仕打ちを受け続ける。本当に救いが無い。
まさに、「…ふたたび」における七瀬の最後の台詞に対する答え
なんだろうなぁこれは。
というわけですっかり筒井づいてしまったが、これ以上続けると
とりあえず全集制覇したくなりそうなので…。ううむ。