『きっと、うまくいく』"3 idiots"(2009)を観ました。
(2013/11/2 at 飯田橋ギンレイホール)
出だしが、まあらしいと言えばとてもインド映画らしいのだけれど、飛行機離陸時に携帯で話し出したりさらには…がちょっと笑えないを通り越していました。
これは駄目かもしれないと思った。
いやインド映画というよりは香港映画でお馴染みのと言った方がしっくりくるか。
そして、ランチョー登場から彼に関わるエピソードが積み重ねられるに従って、この作品が価値観をひっくり返すことに主眼を置くというか爽快感を持ってくる作品だと判ってくる。
そして、時には度を超した、とは言っても冒頭越えはないけれど、事を行い、それに対しては罰を受ける事になる。こともあるようになってくる。
その積み重ねが一つの出来事を引き起こしそこがきっかけになってすべてが無に帰するかと思った時。
まあ既に未来は最初からある程度提示されていて安心して観ていられるので、むしろどうやってここから未来(現在)に繋げていくかを楽しめるんだよなあ。
だから不意打ちの感動ではなくこちらも準備した上での感動というハードルの高いものになり、それを本作品は叶えてくれる。
そこに至るまでには、例えばランチョーが良家の息子であったり、ましてや何か宗教的な臭いもする家に見えてしまったり(これは単なる私の誤解だった)なんてこともあるのだけれど、あらかじめ見えている線路だったり、さらには何気なく振りまかれている将来への伏線だったりをうまく散りばめて昇華させている。
それも細かいところまであげるとかなりのシーンが未来に繋がっているあたりは本当凄い。
さて、インド映画にお決まりのミュージカルシーンだが本作にもあるにはある。
その使い方は中盤のダレ場のみであるあたりも良かったな。
当然それは恋のシーンで、実はそれまで敵対していた学長にもうひとつ敵対要素を加えられるシーンでもあるのだが。
序盤の学長初登場のシーンとこのシーンがクライマックスにけっこう繋がっているんだよな。
他にも伏線の2度3度の使い回しが逆にブラインドになって効果的だったり何気なくワザモノな作品でした。
ラストの1ピースがAll Is wellに繋がるだなんて思っても見なかったよ。あの場では。
ホント楽しかった。
そうそう、最後にヒロインとランチョーが途中から小雪とマツケンにしか見えなかったことを書いておこう。