「アンドロイドの夢の羊」"The Android`s Dream"(2006) John Scalziを読了。
タイトルで予想が着く通り、映画『ブレードランナー』の原作こと「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」に対してある意味強い繋がりというかファンオマージュを持った作品でした。
無論、どこからどこまでと言うわけでもないし、力の入れどころも違う。滑稽さの身の置き所も、ある意味悪趣味とも言える電気羊と比べるとかなりおとなしい。
まあどちらも作者の趣味がより色濃く現れているのが大きな違いの源泉になっているかな。
スカルジーってホントSF小説が好きだっていう立場から始まった話が好きなんだなって思う。
それでいて電気羊と同じような命題を、一見同じような素材から違うものを見出して来ている。
何せアンドロイドは一体も出て来ていないのに、人間とそうでないものの境界線に踏み込んでくるとは思わなかったよ。
いや、アンドロイドではないがもう一つのものが近いといえば近いか。
しかしそいつらは人間を越えてしまっているからな。
さらには、ああこれは映像で観たいから入れたんじゃないかというところもあった。
いやどれも観てみたいというか想像できてしまう。
やはり過去のいろいろな作品のパッチワークで出来ている部分も少なからずある。
こるは昔から変わらなかったのか。
600頁強も弾みがつけばあっと言う間。
もう一度電気羊読み直してみるかな。