2019/01/03
「世界の端から、歩き出す」(2018)富良野馨
「世界の端から、歩き出す」(2018)富良野馨
ああ、この作品も好きだな。
前作と比べて良い意味で尖った部分が取れて優しい気がする。
描かれている事はけして生易しい世界ではないのだけれど、
それを見つめる視線が優しいというのが正しいかな。
ある部分において頑なで各々なりに過去に理由を持った彼女たちが徐々にほぐれて
皆幸せになっていくさまは読んでいて本当に心地よいです。
前作はそれぞれ一人称である部分の3人にその都度感情移入していましたが本作は
完全に主人公である千晴の目線になっていたかな。
同時に彼女の年齢なりと感じる部分に対しては第三者としての視点になっていたと思う。
そして話に関しては広げられる余地があるなあと思っていたらまだ続きもあるのか。
この話はこれで一つの形としてキレイに終わっているのだけれどここから
話を広げていくのも確かに面白いかな。
いつかまたそれが読める日が来るのを楽しみにしていよう。