「老人と宇宙」シリーズの最新刊である「ゾーイの物語 老人と宇宙4」を読了。
「最後の星戦 老人と宇宙3」の中で描くことができなかった部分を彼らの娘であるゾーイ視点で描いた物語。
既に「…3」のほうは殆ど忘れてしまっていたものの、読むうちにいろいろと思い出したわ。
そして、ある意味スピンアウトであると軽く考えていたら、これが事の外面白かった。
これならヒューゴー賞候補になってもかしくないわ。
この手のものは個人的には「クラッシャージョウ外伝 ドルロイの嵐」と「ダーティペアの大乱戦」以来かな。
同じ物語でも(あたりまえだが)見事にゾーイ視点、ゾーイ思考で違うタッチになってるんだよなぁ。
ある意味ジュブナイル。
それでいてしっかりカエルの子はカエルであるというところが最後の星戦でのアレ(つまり今回の話)に辿りつくという。
何かこの人は本当に器用だな。寡作であることがもったいない。
さらにどうやらアメリカSFファンタジー作家協会の会長にもなったみたいだから、ますます著作活動なんて…と思ったらまた器用な新作(小説のリメイク小説)なんてものを書いているのか。
2010/10/30
2010/10/24
サイト更新
kaname's favourite things!!
・favouritelinks!!
映画館リスト
2010.11.19オープン
フォーラム東根
2011.1.16閉館
梅田ピカデリー
2011.2.27閉館
ユナイテッド・シネマ真正16
THEATER INFORMATION... from < kaname's favourite things!! >
・2010.11.19オープン フォーラム東根
・2010.11.19オープン イオンシネマ富士宮
・2011.1.16閉館 梅田ピカデリー
・2011.2.27閉館 ユナイテッド・シネマ真正16
・2011.11オープン 109シネマズ湘南
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・2011.11オープン 109シネマズ湘南
2010/10/07
「パターン・レコグニション」" Pattern Recognition"(2003) by WILLIAM GIBSON
ようやく、「パターン・レコグニション」を読了。
基本的には今までと変わらないギブソンらしい世界。
しかしながらそこに描かれているのは近未来ではなく、追いついてしまった今。
処女長編「ニューロマンサー」を描いた時から、もしかしたら狙っていたのだろうか?
しかしまあ、この作品のなんともフォトジェニックなこと!
愛らしいヨーロッパ映画のための脚本の原作小説として作ったと言われたら信じるぞ。
というか、何この私の趣味どストライクなは!
それこそ岩井俊二的な映画作家が脂乗り切ってる時に映像化してもらいたいクラスの溺愛必須なこの作品には本当にビックリしたわ。
それこそ主人公の名前を前出の処女長編の主人公と同じであることさえ些細なことになるくらいに!
基本的には今までと変わらないギブソンらしい世界。
しかしながらそこに描かれているのは近未来ではなく、追いついてしまった今。
処女長編「ニューロマンサー」を描いた時から、もしかしたら狙っていたのだろうか?
しかしまあ、この作品のなんともフォトジェニックなこと!
愛らしいヨーロッパ映画のための脚本の原作小説として作ったと言われたら信じるぞ。
というか、何この私の趣味どストライクなは!
それこそ岩井俊二的な映画作家が脂乗り切ってる時に映像化してもらいたいクラスの溺愛必須なこの作品には本当にビックリしたわ。
それこそ主人公の名前を前出の処女長編の主人公と同じであることさえ些細なことになるくらいに!
2010/10/04
「フューチャーマチック」"ALL TOMO RROW'S PARTIES"(1999)by William Gibson
「フューチャーマチック」を読了。
「ヴァーチャルライト」「あいどる」と続いた三部作の完結編はその前二作品の主人公二人を主人公とした上に、今まで以上の多人数視点で始まり、それらが一つに収束していくという形であった。
こうして改めて三作みてみると、基本ラインはニューロマンサーな三部作とほぼ同じではあるな。
ただ少しだけ、未来から現在に近くなっただけで。
いや、近未来が少しだけ近づいた分予測に対する補正が入り、現実的になったというのが正しいのか。
まあ次なる三部作はSFではない時間設定みたいだからなあ。
タイトルは原題のほうがしっくりくるな。
彼ら彼女らは個別ながら皆そのために動いていたのだから。
その皆が阻止した未来が何なのかというのがマクガフィンだったのは良かったな。
何を見せ何を見せないという匙加減の上手さはこんなところにもでてるなと思う。
さて、この三部作のビジュアルイメージって一番近いのがスワロウテイルなんだよなあ。割とそのままだけれど。
そういう意味で岩井俊二が撮ったらこんな感じじゃないのかというイメージで読んでました。
「ヴァーチャルライト」「あいどる」と続いた三部作の完結編はその前二作品の主人公二人を主人公とした上に、今まで以上の多人数視点で始まり、それらが一つに収束していくという形であった。
こうして改めて三作みてみると、基本ラインはニューロマンサーな三部作とほぼ同じではあるな。
ただ少しだけ、未来から現在に近くなっただけで。
いや、近未来が少しだけ近づいた分予測に対する補正が入り、現実的になったというのが正しいのか。
まあ次なる三部作はSFではない時間設定みたいだからなあ。
タイトルは原題のほうがしっくりくるな。
彼ら彼女らは個別ながら皆そのために動いていたのだから。
その皆が阻止した未来が何なのかというのがマクガフィンだったのは良かったな。
何を見せ何を見せないという匙加減の上手さはこんなところにもでてるなと思う。
さて、この三部作のビジュアルイメージって一番近いのがスワロウテイルなんだよなあ。割とそのままだけれど。
そういう意味で岩井俊二が撮ったらこんな感じじゃないのかというイメージで読んでました。
2010/10/02
『七瀬ふたたび』(2010)(ネタバレあり)
『七瀬ふたたび』及び厳密に言えばその前に上映された『七瀬ふたたび プロローグ』を観ました。
(2010/10/02 at 渋谷シアターN シアター2)
この作品、原作に対する想いは散々書いたような気がするし、それでもたぶん半分も書いちゃいないのだけれど、今回はやめておく。
ただ、かなり好きだということだけここでは書いておこう。
さて、まずはプロローグから。
中川翔子監督、小中和哉脚本による10分程度の短編。物語のプロローグとして添えられた作品。
狙いとしては非常に良いと思う。構成、コンセプト共に○。キャスティングも良し。
ただし、特に映像表現が詰めきれていなかったのは残念。
イラストとの合成部分はもっと頑張って欲しかった。
まあキャスティングで七瀬の母親役に多岐川裕美引っ張ってきた時点で○なのだけれど、今まであまりちゃんとした形で出てきていなかった七瀬の過去という切り口で最初に見せるというのも良いなあと思った。ちなみに本編には多岐川裕美は出ない。
さて、本編。
まずはネタバレなしの感想。
正直に言ってしまえば原作を読んでない人にはあまり勧めたくない。
この作品だけで原作まで読んだ気になられるとそれはそれで嫌だ。
これを観て原作に興味を持つ人もいるとは思う。
でも、単体でこの作品を愛せ!というには、もう少し基本的な所で練り混みが欲しかったように思う。
けれども、原作を知って愛している人には勧めたい。
この作品を幾重にも楽しめると思うから。
(とはいっても前述の部分でひっかかってしまう可能性もあるが。)
少なくとも私はこの作品を愛した人と語りたい衝動にかられている。
続いて、ネタにあまり突っ込まないレベルで語ろう。既に観る気になっている人はここから先は観てからのほうが良いと思う。
この原作は、ある程度忠実に描こうとするには映画という枠ではなかなか難しい作品である。
なのでどうするのかと思っていたら、冒頭から「あ、すげえ」と思わされてしまった。
ここを切り口にすれば、全体の再構成や話の取捨選択はかなり絞る事が出来る。
原作冒頭が割とオーソドックスにキャッチーなのでその線かと思いこんでいたからそうかその手があったかという感じだ。
能力表現の仕方は好きだな。原作を尊重したやり方だと思う。
前者(再構成)は伊藤和典の本領発揮、後者(能力表現)は小中和哉らしいやり方であると思う。
役者に関しては芦名星の無機質な感じは割とうまくハマっていたと思う。
警察サイドは思い切り安全牌な配役だったし七瀬の仲間たちもうまいところを持ってきた。
強いて言えば子役の子はもう少し小さい子の方が良かったかも。
で中身に戻って、脚本がもたらした構成の妙があったおかげで、原作テイストがかなりそのまま生きていた。
それがとても良かった。
しかし後半になるに従い、徐々に苦し紛れの展開打破が増えてくる。
それを映画という名の力業で処理出来ていればそれはそれで面白かったのだけれど、如何せん小中監督はあまりそれが上手くない。
言ってみれば両者の食い合わせの悪さが出てきてしまったのだろうなあ。
ここが、誰にでもは薦められない理由である。
けど、それでも好きなんだよ。
これ以上は、本当に大きなネタバレになるのでまた改行。
そうか!
そこに落とすか。
正直に言って七瀬が例えイメージだけでもキスシーンを迎えることが出来て、それだけが良かったね!〉七瀬、ということになりかねないと思っていたら・・・。
それだけを単に文章にしてしまえば残念に思われるだけかもしれないが、それが前にどのタイミングでどのように表現されてたかというところと、テレパス、時間遡行者、そして「七瀬ふたたび」の3つを絡めれることで、やられた!と思ったよ。
もしかして途中の苦し紛れな部分もわざとなのかと思いたくなるくらいに。
いやあれはダメなのだけれど。
脚本読み込むか書き直すかすべきだったと思う。〉苦し紛れなところ
さて最後にいわばジョーカーとして配置された吉田栄作の役柄。
私は良かったと思う。
チートキャラではあるが、強いが上に脆いところ。こういうところは本当にうまいな。
(2010/10/02 at 渋谷シアターN シアター2)
この作品、原作に対する想いは散々書いたような気がするし、それでもたぶん半分も書いちゃいないのだけれど、今回はやめておく。
ただ、かなり好きだということだけここでは書いておこう。
さて、まずはプロローグから。
中川翔子監督、小中和哉脚本による10分程度の短編。物語のプロローグとして添えられた作品。
狙いとしては非常に良いと思う。構成、コンセプト共に○。キャスティングも良し。
ただし、特に映像表現が詰めきれていなかったのは残念。
イラストとの合成部分はもっと頑張って欲しかった。
まあキャスティングで七瀬の母親役に多岐川裕美引っ張ってきた時点で○なのだけれど、今まであまりちゃんとした形で出てきていなかった七瀬の過去という切り口で最初に見せるというのも良いなあと思った。ちなみに本編には多岐川裕美は出ない。
さて、本編。
まずはネタバレなしの感想。
正直に言ってしまえば原作を読んでない人にはあまり勧めたくない。
この作品だけで原作まで読んだ気になられるとそれはそれで嫌だ。
これを観て原作に興味を持つ人もいるとは思う。
でも、単体でこの作品を愛せ!というには、もう少し基本的な所で練り混みが欲しかったように思う。
けれども、原作を知って愛している人には勧めたい。
この作品を幾重にも楽しめると思うから。
(とはいっても前述の部分でひっかかってしまう可能性もあるが。)
少なくとも私はこの作品を愛した人と語りたい衝動にかられている。
続いて、ネタにあまり突っ込まないレベルで語ろう。既に観る気になっている人はここから先は観てからのほうが良いと思う。
この原作は、ある程度忠実に描こうとするには映画という枠ではなかなか難しい作品である。
なのでどうするのかと思っていたら、冒頭から「あ、すげえ」と思わされてしまった。
ここを切り口にすれば、全体の再構成や話の取捨選択はかなり絞る事が出来る。
原作冒頭が割とオーソドックスにキャッチーなのでその線かと思いこんでいたからそうかその手があったかという感じだ。
能力表現の仕方は好きだな。原作を尊重したやり方だと思う。
前者(再構成)は伊藤和典の本領発揮、後者(能力表現)は小中和哉らしいやり方であると思う。
役者に関しては芦名星の無機質な感じは割とうまくハマっていたと思う。
警察サイドは思い切り安全牌な配役だったし七瀬の仲間たちもうまいところを持ってきた。
強いて言えば子役の子はもう少し小さい子の方が良かったかも。
で中身に戻って、脚本がもたらした構成の妙があったおかげで、原作テイストがかなりそのまま生きていた。
それがとても良かった。
しかし後半になるに従い、徐々に苦し紛れの展開打破が増えてくる。
それを映画という名の力業で処理出来ていればそれはそれで面白かったのだけれど、如何せん小中監督はあまりそれが上手くない。
言ってみれば両者の食い合わせの悪さが出てきてしまったのだろうなあ。
ここが、誰にでもは薦められない理由である。
けど、それでも好きなんだよ。
これ以上は、本当に大きなネタバレになるのでまた改行。
そうか!
そこに落とすか。
正直に言って七瀬が例えイメージだけでもキスシーンを迎えることが出来て、それだけが良かったね!〉七瀬、ということになりかねないと思っていたら・・・。
それだけを単に文章にしてしまえば残念に思われるだけかもしれないが、それが前にどのタイミングでどのように表現されてたかというところと、テレパス、時間遡行者、そして「七瀬ふたたび」の3つを絡めれることで、やられた!と思ったよ。
もしかして途中の苦し紛れな部分もわざとなのかと思いたくなるくらいに。
いやあれはダメなのだけれど。
脚本読み込むか書き直すかすべきだったと思う。〉苦し紛れなところ
さて最後にいわばジョーカーとして配置された吉田栄作の役柄。
私は良かったと思う。
チートキャラではあるが、強いが上に脆いところ。こういうところは本当にうまいな。
2010/10/01
「あいどる」"IDORU"(1996)by William Gibson
続いて、こちらも久々に「あいどる」を読了。
橋上三部作の二作目
舞台を東京に移しながらも、あるものを手にしたが故に追われる事となった女の子と、トラブルを抱える男の2つの物語が交互に語られながら、一つの話に結実していくさまは前作と同じ。
ただし、舞台が東京である事とある意味今だからこそより親しめる内容が多いことから、こちらのほうがヴァーチャルライトより親しみが持てる。
ただ、後半の疾走感はヴァーチャル…のほうが好きかな。あいどるのほうはちょっとあっさりし過ぎ。
しかしまあ、ここまでヴィジュアルがかっちりしてる話なのに、古さを感じないこと!
やってる事自体は、ホント手垢が着いてることなのに…というかそれが故か。
逆に下手に映像化するとその罠にハマりそうだ。
さて、ようやくあいどる読み終えたのでフューチャーマチックに手をつけられる。
2つのパーティーの後を飾る"ALL TOMORROW`S PARTIES"
楽しみです。
橋上三部作の二作目
舞台を東京に移しながらも、あるものを手にしたが故に追われる事となった女の子と、トラブルを抱える男の2つの物語が交互に語られながら、一つの話に結実していくさまは前作と同じ。
ただし、舞台が東京である事とある意味今だからこそより親しめる内容が多いことから、こちらのほうがヴァーチャルライトより親しみが持てる。
ただ、後半の疾走感はヴァーチャル…のほうが好きかな。あいどるのほうはちょっとあっさりし過ぎ。
しかしまあ、ここまでヴィジュアルがかっちりしてる話なのに、古さを感じないこと!
やってる事自体は、ホント手垢が着いてることなのに…というかそれが故か。
逆に下手に映像化するとその罠にハマりそうだ。
さて、ようやくあいどる読み終えたのでフューチャーマチックに手をつけられる。
2つのパーティーの後を飾る"ALL TOMORROW`S PARTIES"
楽しみです。
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