2012/12/08

「ココロコネクトミチランダム」(2011)庵田定夏

「ココロコネクト ミチランダム」(2011)を読了。

ココロコネクトシリーズの4作め。テレビアニメは3作めまでがテレビ放映され、このミチランダムは今のところイベント上映の後、パッケージのみとなるのかな?


で、そのアニメのテレビ放映最終回でも、原作の3巻目のラストでも意味ありげな形で終わった続きとなっています。

で、まあ読み終えて最初に思ったのが「ここまでちゃんとテレビ放映でやってればまた違ったかもしれないなあということ。

それは何故かと言えば5人5様に強くなった事を自覚できたところまで描けていることと、特に2人ほど壊れているのをある意味堪能できるというところか。

いや、特には一人か。(笑)
単なるでれキャラに成り下がった稲葉ん。(笑)


それはさておき今回の題材はまた面白かったな。

人の考えの断片が何の脈略もなく流れ込んでくる「感情伝導」

言ってみれば前後がまったく判らないまま目の前にいきなり突き出される呟きだ。

ある意味何とタイムリーな。

そういった聞きたくもない、いや厳密に言えばもしかしたらとても重要な事と錯覚してしまうということをいい加減皆気づき始めている時期(本書は2011年2月初版)にある意味それを話の上のトリックとして使ってしまっているところにとてもうまさを感じる。

正直そちらに気を取られすぎていてもっとシンプルで簡単な事が目の前にぶら下がっていることになかなか気づかなかった。


そりゃそうだよ。こんな状況の連続なんかやってられない。
怖くも逃げ出したくもなるさ。


そうやって劇中キャラクターも読者も見事に欺いた上で彼ら彼女たちが取った行動が…まあある意味慣れきったこの状況に対し初心にかえるというところにまたキレイさを感じた。

やはり視野狭窄したこの年代の話というのは面白いな。


さてこれ以降はすべてデレばんなんだよなあ。(笑)

2012/12/02

2012.12.2閉館 シアターN渋谷


2012.12.2閉館

シアターN渋谷
(日本出版販売株式会社)
-渋谷区桜丘町・東京都-
シアター1   75 +(-)
シアター2  102 +(-)



「AURA〜魔竜院光牙最後の闘い〜」(2008)田中ロミオ

「AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜」(2008)を読了。

「人類は衰退しました」で興味を持った田中ロミオの作品として、さらには映画化もされるということで読んでみた。

物語冒頭の主人公とヒロインの関係が「中二病でも恋がしたい!」に近いというのも気になった。




さて、すげえ!これこそラノベ、学園ラブコメだぜって終わり方を見せてもらえるとは思わなかったよ。

導入、やけに詳細な説明があるなと思ったものの気にするなと書いてあったから単に設定好きなのかなと思いきや、最後にそれを生かしやがった。

そして、佐藤良子。「中二病…」の六花みたいに決してへたれることなく最後まで任務を遂行しようとする様は見事。そんな良子を途中へたれつつもフォローし続ける一郎もまた良いキャラクターだったな。

このふたりでひっかき回しまくって最後あそこまで持っていったのは良かったな。


そうかあ、これを劇場アニメ化するのか。
面白そうだな

2012/12/01

「ココロコネクトクリップタイム」(2011)庵田定夏

「ココロコネクト クリップタイム」(2011)を読了。

ココロコネクトシリーズ初の短編集。

ヒトランダム本編中でも語られた文研部の文化祭エピソード「スクープ写真の正しい使い方」。

そのヒトランダム直後のエピソード「桐山唯の初体験」。

続いてがキズランダム直後のエピソード「稲葉姫子の孤軍奮闘」。

そして最後がミチランダム後のエピソードである「ペンタゴン++」。


最初は本編でもよくある太一主観の話であるものの、2本目3本目はタイトルにある通り桐山唯と稲葉姫子にほぼ絞ったエピソード。
全体としてのために動かされることはあっても一人だけを掘り下げることは今まであまりなかったと思うんだよな。
そういう意味でこのシリーズとしては新鮮。
ぎこちなさも残る。

けど、本編と違って現象が起こらないこういうエピソードもこのシリーズとしては良いんじゃないかと思う。


なあんて思いながら最後のエピソードで2年生になり後輩になるかもしれないふたりの話の最後で次の現象が起こりそうな空気が漂ってきてエンド。


これってある意味〈ふうせんかずら〉が読者と同じようにこれらの話を眺めていたとも解釈できる導入なんだよなあ。
ある意味うまいな。


まあミチランダムを読む前にフライングして読んでしまったのでその後の破壊力溢れるデレばんを期待しながらミチランダムは読めそうだ。

あそこまでデレるか?(笑)

『007/スカイフォール」"SKYFALL"(2012)

『007/スカイフォール』を観ました。
(2012/12/01 at ユナイテッドシネマ豊洲スクリーン10)


これでもう3作めなんだな。
すっかり自分のカラーを持ったポンドも板に付いてきたダニエル・クレイグは今回も上半身裸度やら椅子に縛られてやら銃創やらそのほか傷だらけやらでした。


さて、これからは本格的にネタバレ



















ええと、ある人物が名乗った時点でいろいろ判ってしまいました。

その人の名はマロリー。まあメッサヴィーならより判りやすかったんだけれどさすがにそこまではやらなかったか。
そして、彼の秘書といえば…最後にやはり名乗りましたね。

…と実は誤読してしまいました。
昔ポンドのモデルのひとりに登山家のジョージ・マロリーが入っていたような気がしたんだが気のせいでした。
Mの着く名が出てきた時点で何か勘違いしたか?〉私(笑)
結果は当ててしまったのでなんと言っていいのやらだけれど。


さて、そんなバカな話は置いといても、また過去作品への愛が詰まった作品でした。

とても判りやすいアストンマーチン、ギアシャフトのヘッドは予想通りだし、やはりそのボタンはあれなのね。
ちゃんとフロントのマシンガン使ってくれたし、けどさすがにリアウィンドウの鉄板はなかったか、とか。

人肉大好きそうな動物が庭に放たれているとそうなるよね、とか、やたら自分語りが好きだったりとか(誰が?)、臨時作戦本部ってそうだよね、とかQ課が出てくるときはたいていハンドガンが最初だよねとか(けどブースロイド少佐ではなかった)、香港マカオ方面で象徴的な1度目の死からの蘇りなシーンがあったりとか、カジノは必須だしマーケットも必須だよね。
電車はやはり屋根の上の殴り合いでトンネルありだし地下鉄は歩いてれば電車来るし情婦のボートに潜入は基本、狙撃のシーンはその手順をしっかり見せるし銃撃戦の弾切れで銃捨てて死体から銃奪うのも基本。
ガラスは派手に割れるしフロントガラスは銃弾受けたら曇って前が見えないから銃床で割る。
地下鉄には誰も知らない道があるし凍った湖の上を歩いてたら落ちるよね。
エージェントとしての適性試験は不合格なのもデフォだ。療養所行きにならなかっただけありがたいと思わないと。
そして、かつてのエージェントはいつしか敵になる。



うん、やっぱり自分に番が廻ってきたら全部やりたいことばかり。


そして主題歌はジェームズポンドのテーマをうまく混ぜたもので個人的にはサンダーボールを思い出す。


さあて、そんなディテールを置いて作品そのものの話になると、影響受けてるなと思われるのはやはり『ダークナイト』か。

故に本国やアメリカではヒットしても日本ではヒットしないんだろうな。



けど好きだ。
愛してる。



残念だったのは久々の実写映画でやはりマナー悪い遭遇率が高かったこと。最近は訓練された子ばかりが多かったから、映画観る気なくてスマホずっといじっている右隣と「あ、戸田奈津子さんだ」とか独り言の多い左隣に挟まれてしまった。
なっちにさんづけしてるのは初めて聞いたよ。
意味の分からない訳は健在でした。〉なっち

2012/11/29

「ふたりの距離の概算」(2010)米田穂信

「ふたりの距離の概算」(2010)を読了。

前作までが「ああ、これがやりたくてテレビアニメにしたんだ」と思えたこのシリーズ。
ならば本作は?という問いを思いつくまもなく「ああ、これはひとつの映画として観てみたい。」と素直に思った。
その形態はアニメだろうが実写だろうが構わない。

もしこれがそんな感じで映画になったのを観た人が「今まで何があったんだろう」と思ったときに原作読むも良しアニメ観るのも良しなんて感じがとても幸せだなあと思えるそんな作品。


タイトルからして考える二人の距離。
里志と摩耶花の関係はこの作品でようやく摩耶花の願いが叶ったことを知る。
そして奉太郎とえるは?というと大日向曰わく、の通りなのだろうな。

2012/11/27

「ココロコネクトカコランダム」(2010)庵田定夏

「ココロコネクト カコランダム」(2010)を読了。

前2作までは少なからずぎこちないところがあったように思えたのだけれど、本作はそれがなくなったな。

既にテレビアニメで観て内容は知っているし、さらにはほぼ忠実に作られていただけあって、原作を読んでの大きな驚きはないのだけれど。
それでも素直に面白かったな。

キャラは固まっているし、さらには今回で太一以外の全員が一番最初の立ち位置から明らかに良いところに落ち着いたので気持ちよいというのもあるのだろうな。

最後に伊織が不穏な言葉を残して終わるのだけれど、その結果として当然だと思うし、それよりも残りは太一だけだ。
当然だな。


頑張れ太一!

2012/11/24

「人類は衰退しました7」(2012)田中ロミオ

「人類は衰退しました7」(2012)を読了。


「妖精さんたちの、ちいさながっこう」

衰退し始めて数世紀、最後の学舎の卒業生であるわたしの下に持ち込まれた新たなクレーム、いや要望は「子供たちに未来を」。
子供たちに対する教育の依頼でした。

そして始まったわたしを始めとする教師たちと3人の子供たちとの闘いの日々。


ということで、これに「増えすぎた妖精さんたちの捕獲作戦」も加わって変わらない混沌の日々は続いていきます。

いつもとは少し違う立ち位置のわたしちゃんでしたが自分を取り戻してからの通常営業っぷりが良かったな。
いや、本来人見知りなので終始一貫わたしちゃんではあるのだが。
AとBはやはりそうなったか。Y歓喜。(笑)



「人類流の、さえたやりかた」

いつもと違うタイトルの付け方に実は最初からヒントが隠されていました。

知覚する側の属するカテゴリーの違いで認識に相違が生じるという話の私の初体験は手塚治虫の「火の鳥」だったな。
あれほどの目から鱗の発想はその後もそうそう出会っていないが、そうか、彼らにとってはあそこらへんに妖精を感じるのか。


しかしまさか、ヒトモニュメント計画が実際に完成するとはねえ。

何かぴおんちゃんたちとキャラ被ってる気がしないでもないが良かったな。



さて、まだまだ先は長そうだ。

「遠まわりする雛」(2007)米澤穂信

「遠まわりする雛」(2007)を読了。

米澤穂信の「古典部」シリーズ4冊目にして初の短編集。
書き下ろしの一編を含む計七編の短編が収められている。


推理小説、ミステリーといえば話に関わる襞まで楽しめる長編の方が好みではあるがアイデアが光る様を楽しむ短編というものもこれが特にシリーズものとなるとその成りが故に結構面白いものがある。
作家の向き不向きなんてことも含めると長い話になるのでここでな止めておくが何作かの長編を経て血肉を得た古典部の面々を巡る短編は十分に面白かった。

そして、その中でもこの短編集のタイトルにもなっている「遠回りする雛」。
小説でこそ楽しめる部分の多いこの古典部シリーズをわざわざテレビアニメ化する理由があったとしたら、まさにこの話を観たかったんじゃないか。それに尽きてしまうかもしれない。

まさにこれらの物語の果て、いや実際にはまだあと2年分残っているようだが、そこにこれがあるのであれば観てみたいよ。

奉太郎がオチる瞬間。だものな。

この短編集を締めるこの書き下ろし作品は私に取って出色の作品であった。


もちろんそこに至るまでの4人がいろいろ重い至ることになる様々な出来事も良いが、これは特別だな。

2012/11/22

「クドリャフカの順番「十文字」事件」(2005)米澤穂信

「クドリャフカの順番「十文字」事件」(2005)を読了。

これに関しては年代的改変(漫研のコスプレの中身)が多少加わったくらいでほぼそのままアニメ化したんだな。
原作の内容故というのもあるが前2作と比べてだいぶ親和性も良かったみたいだ。

話としてもこれはうまいなと思った。
奉太郎があそこまで動くというのはまさに本人も周りも予想しておらず、実は姉だけが彼を一番よく知ってるという構図なんだよな。


今回の結果として周りといろいろ関わりを持つようになってしまった古典部メンバーだが、巡り巡って何かありそうな予感がするのはきのせいか。