締めはリリィに戻るのか。
彼女達に最後に必要になるのは正気を失わないことという事なのかな。
たぶん彼女達が総崩れになるのは彼女に何かあった場合かな。
一方、英雄を彼女としたのはそういう理由もあったか。
この作品、話そのものを進ませる事よりもその間の仔細を人物毎に掘り下げてグルグルと全体の解像度を上げていくというのが面白かった。
キャラクターを描くという事に関してはより親近感が湧くというか。
「な〜〜んだか、私の脳味噌小包にして送ってあげるのが一番早そうね。」
締めはリリィに戻るのか。
彼女達に最後に必要になるのは正気を失わないことという事なのかな。
たぶん彼女達が総崩れになるのは彼女に何かあった場合かな。
一方、英雄を彼女としたのはそういう理由もあったか。
この作品、話そのものを進ませる事よりもその間の仔細を人物毎に掘り下げてグルグルと全体の解像度を上げていくというのが面白かった。
キャラクターを描くという事に関してはより親近感が湧くというか。
テレビアニメでというフォーマットを崩さずにこういう形で見られるのは嬉しいなあ。
淡々と進む時間の中で静かに感情を動かしていくフリーレン。
彼女が何を思っているのかが明らかになっていく様は心地良い。
そして2時間かけて知るこの旅立ちの章という意味。
説明せずとも滲み出るものが積み重なって辿り着く答えが文字通り何重にもなって。
これは楽しめそうだ。
2023/09/27記
海外での再映画化が決まったとの事で、懐かしくなって読み始めました。
個人的に山田太一はドラマ脚本よりも一作目の長編小説「飛ぶ夢をしばらく見ない」や2作目の本作の方が好きだったりする。ついでに言えば本作が原作の大林宣彦の映画もとても好きだったりする。
そんな作品との久々の出会い。
とてもドライな部分と情熱的なものとの同居のさせ方が凄く上手いというか絶妙で、その余韻が心地良いんですよね。今回読み直してみて、こんなにあっさりしてたんだとも思った。
けど一方で感情ぐちゃぐちゃにされてしまう部分もしっかりとあって、そういう意味でこれがどんな形で映画化されるのかも楽しみ。
「飛ぶ夢…」も再映画化されないかなあ。
さておき脳内ではしっかりと風間杜夫で片岡鶴太郎で秋吉久美子で名取裕子でした。けど父ちゃん母ちゃん30代なんだよなあ。
さて、後もう少しという事になれば、そんなに引き摺る事はないか。
とは言ってもシルフィーの事考えていなかったよなあ。
これがどう後を引くか。
アリエルはあの能力でルディにという事は、今度はルークとのあらぬ噂を…とかね。
大学から離れて母親の元へとなるとそこには師匠がいるだろうし、たぶんそれほど遠くはない場所に彼女もいるであろうし。
2クール目は来年4月からのようだけれど、個人的には怪獣8号、ユーフォ3期、シャニアニに加えて、スパスタ3期やゆるキャン△3期の可能性もあるとんでもないクールになりそうなので楽しみです。どうか時間帯被らないように。
『007/私を愛したスパイ』 "The spy who loved me" (1977)
(2023/09/24 グランドシネマサンシャイン シアター6)
シリーズ60周年記念上映での鑑賞。
4Kレストア版。
初見はロードショー公開時。
映画館での鑑賞はそれ以来だから約45年ぶり。
ついでに言えば、初めて映画館で観た映画ではないが映画というものが好きになったきっかけの作品。
さてまずレストアっぷりだけれど、昨日観た女王陛下よりは全体のバランスは取れていた。その代わりと言ってはなんだけれど息を呑むようなという感じのカットもなくというのはサイズ由来のゴニョゴニョな部分があるのかな。それ以前の話として、思い出補正に敵うものはなかなかない。
とは言ってもエスプリのカーチェイス(される方)4連発は見応えあるし、初登場でのQとあの車のスケール感のおかしさから堪能したし。
ユアアイズオンリーにも出てきたゴーゴル将軍との会話で原潜ポチョムキンが消息を絶ったとの台詞に対して、「sabotage?」と返す所や、ララのテーマ、ロレンス等のBGMの使い方、カイロのシーンは同時期のアレかなとか、果てはエスプリ上陸がアレだったり、そこに関してはそもそもリチャードキールの役名があれな上に最後にはだからねえ。
そして007におけるパインウッドクライマックスなタンカー内の英米露の共同戦線っぷりとかは、そう、これが私にとっての007のスタンダードなんだよなと思い返したりとか。
記憶との対比で言えば、この作品に関しては観た回数よりもサントラ聴いた回数の方が遥かに多くて、故にJames Bond'77には特に反応してしまう。
ああ、そういえば慰めの報酬はあのシーン思い出したよなあとか。
今回改めて思ったのは、本質的に怖いのはスペクターなどよりもこのストロンバーグのやっている事だし、前述のゴーゴル将軍がアマソワをボンドと組ませたのは、少なからず彼女の恋人を誰が殺したかわかった上でやってるあたりとか、こういう見方はアレだけれど、前作でB級ホラーで名を馳せたクリストファーリーに引き続いて、一時期ドイツ軍将校といえばだったクルトユルゲンスというのがまたね。
個人的に好きなのは、アバンで鹵獲された英原潜の艦長がなかなかにカッコ良いのだけれど、解放されてからの出番がと、対して米原潜の艦長はとか。
何はともあれ思い出の作品。45年ぶりの再会を楽しませていただきました。
基本的には正統派の少女漫画でありながら、なかなか人の裏をかくのが上手い展開の連続で、そのオフビートっぷりが楽しい作品でした。
などと書くと後者の印象が強く残りそうだけれど、ホント少女漫画だよなあ。
アンに落とされた後のシャルのアンに対する王子様っぷりと言ったら。そして同様するアンまでがワンセットで楽しかった。
アンとシャルの時間の流れの違いがあるかと思えば同じ妖精でもルスルの寿命はアンからみても束の間。但しの先があるのがまたね。
2人はいつかそれぞれの言葉の意味を、というか思いを正しく認め合う事が出来るのかな。出来るといいな。
(2023/09/23 グランドシネマサンシャイン シアター6)
シリーズ60周年記念上映での鑑賞。
4Kレストア版。
やはりフィルム上映を念頭において作られた作品はこうやってレストアされるとカット毎のクオリティや質感のバランスでつまづいたりもするのだけれど、それらを差し置いても当時のセットやロケーション、やりたかった事見せたかったものをここまで綺麗に見えるのは良いなあ。
紗をかけたダイアナリグのアップとかはその前後とのコントラストがきつくなったりとかはあるのだけれど、例えばドラコの誕生日パーティーでの闘牛シーン、Mやボンド、ドラコの各執務室の内装。そういった本筋でない所にも心奪われてしまう。
で、そういったもの一切合財を体験した後に続くのが、ボンドの正体が割れてケーブルカーの機械室に閉じ込められてからのそれこそ小休止を挟むものの延々と続くアクション、そしてロケーション。
実を言えばここら辺だけビデオで何十回もひたすら見続けていたこともあるくらい好きな所をここまで素晴らしい状態で観られる素晴らしさ。(語彙がない)
スキーチェイスの素晴らしさ、BGMのオンオフで作られるリズムやサスペンス。何回も繰り返されてやっと得られる成果とか、なんとかやりすごそうと下を向いた足元でサッと止まるスケート靴とか吹雪をやり過ごし夜が明けてからの再スタート。
果ては圧倒的な雪崩のシーン。
そこから物語上必要最低限な手続きを経てあの夕陽をバックに3機編隊で飛ぶヘリのシーンの美しい事。
あれは本当に涙出てきた。まあその後に本当に泣かされるんだけれどね。
どうしよう。色々と止まらなくなってきた上に取り止めも無くなってきた。
レイゼンビーにしてもダイアナリグにしてもいいんだよねとか、それこそあのオープニングシークエンス!とか、ユアアイズオンリーのアバンとかカジノロワイヤルのあのシーンとか延々と語っていたくなる。
観られて本当に良かったよ。
できれば雪崩と夕陽のシーンのためだけでも良い劇場で。
あ、ここまでピーターハントにもジョングレンにも触れていない。(笑)
それよりもまずはMGMとUAのオープニングロゴの鮮明な事。
それに続く深夜のカーチェイスから夜明けの海岸、そして早朝の格闘という光源の移り変わる時間帯での一連のシークエンスはこれドルビービジョン案件だよなあ。
前述のパーティーシーンやピスグロリアに入るシーンは昼間でしっかり景色を堪能なのだけれど、これまた前述のピズグロリアからの脱出シークエンスは夜から始まって馬小屋までが日付を跨ぐ前。
そして逃走再開から雪崩までが完全に日が昇ってからでトレーシー救出が夕陽をバックに。ん?あれ朝焼けだっけ?
こういった時間帯跨ぎで刻々と景色が変わる中のアクションシーンがわかってるなあという感じなんだよなあ。(上から目線)
話変わるがカーリングのシーンはトレーシー救出の際にマシンガン撃つボンドと同じ場所で同じような体勢なのが地味に好きだったりする。
好きなシーンといえばメッサヴィー卿の私邸のシーン。
執務室というかその前室のマネペニーへのありがとうを受けての目線を交わさないボンドとの会話は大好きだ。
口紅の8があの体勢でよくあそこまで綺麗に描けたよなあとかボンドが手持ちのアイテムを工夫してドア解除の細工を作って出て行ったのに、戻ってきたら爪ヤスリであっさりとでのシーンも好き。
これまた地味にピズグロリアで彼女達と初めて会う一連のシーンの後ろで(だったよな)整えられるたぶん風景自慢だったであろう元レストランの名残りを示すディナーの準備や、それがたまたま居合わせた?現地人員の台詞にも出てくる所との相互補強。
あの建物が風光明媚なのは前述の救出劇の時にさらに実感するのだけれど。
ここら辺も語り足りないが次へ行こう。
メインタイトルでの今まで振り返りでコネリーボンドのそれまでが流れて、さらに辞表を書いて身辺整理の為片付けているボンドの机の中から出てくるアイテムとBGM。ドラコの執務室へ連行されるシーンで掃除してるおっちゃんの口笛。地続きの作品だよという感じである一方でこの作品はコネリーとは合わないよなと思う一方で次作のダイヤモンドはレイゼンビーには合わないよなというあたりはある程度当て書きとなる部分やアドリブなんかもあったりするのかな。
と、これでようやくレイゼンビーの話ができる。
初登場のシーンはその顔つきまで含めて違和感あるのだけれどアクションシーンの映えはあの体格も活きていてボンドになってるんだよなあ。それら踏まえてラストシーンでは紛れもないボンド。もっともらしくないようにみえるシークエンスなのだけれど。
さて、ここもまだまだ語り足りないのだけれど、まだピーターハントが出てこない。
これじゃ永遠に終わらないから先にジョングレンに触れておくか。
この作品の前までこのシリーズの第二班の監督と編集をしていたピーターハントからその仕事を受け継いだのがジョングレンでその後ムーンレイカー以降彼も監督となるのだけれど、本作オマージュ的な所がそれらにあってそれも好きなんだよなあ。
諸々の権利がクリアになってようやく再登場したプロフェルドっぽい奴の特徴があれなのが、その直前の墓参り含めて本作の続きであったり、そのユアアイズオンリーは鳩との関係性や頂上の寺院など、けっこう本作の匂いが強くて好きだったりする。
同様に監督は違うがリビングデイライツやカジノロワイヤルが好きなのも少なからず本作と同じ匂いがあるからというのもある。
と、ここまで書いてもまだ出てこないピーターハント。
まあ今まで書いたすべてがピーターハントの魅力なのだけれど、それは置いても彼の魅力はアクションシーンだよなあ。何よりもスキーシークエンス。このカット割最高だしこれだけでも永遠に観ていられる。そういえば、そういうシーンがあると知らずに観ていた『インセプション』であんなシーンがあった時には血脇き肉踊ったよ。
さすが最終回。
Aパートの森の中でのアクションシークエンスは今回のアニメの中でも特に良かった。
やはりアクションは高低差遮蔽物ありでの上下左右動を引きとアップのカット割で魅せるのが一番だな。
ましてや相手は教官。
個人的にはあの映画と同じ事にならないかと心配だったのだけれど、そんなことはなくてホント良かったよ。
さらに続くのかな。
ここまで御神苗優のスペックをみせた上でのこの引きは楽しみだよなあ。
誰?
作品中の今が明治な雰囲気とすると36年後が現実史のあそこらへんとなるのかな。オカルト絡んでくる?
登場人物達じたいは多岐の時代に渡っているが。
時代的にある程度固まっていたのが、ブラムストーカーではなくブラドが出てきた事でだいぶ時代が広がった?
その上で、出てきた神話系に見える新キャラ。もしかして紀元前まで遡った?
フョードル初登場時みたいな終わり方だ。
ほんとここからどうなるんだ。
くしげが喋った。
いつかその日は来るだろうとは思っていたが不意打ち喰らった。
いくつかの未来への手がかりと、不安とも期待ともつかない終わり方。
傘というアイテムを額面通り受け取れなくなっている一方で、婚礼調度の台詞の後のぼたんのもう一歩。
ここから先も観れるのかなあ。
2024.夏オープン 名称未定(ゆめが丘ソラトス)<情報収集中>
(入館施設名称確定) (オープン日確定)(2023/09/17 ザ・シネマ放送版)
ジュリエット・グレコが本人役で歌っているのがまた良くてね。
というほど実はこの作品を観ている訳ではなく、たぶん初見がジーンセバーグが亡くなった時にテレビで放送されたのを観て以来。(だと思う。)
原作に造詣は無く、接点としてはそのタイミングで観たという事とジュリエット・グレコのこの曲が好きだという事くらいかな。
現在がモノクロで回想がカラーというのはカラーパートの表現力の粗さが当時のカラーフィルムでの限界でもあるという意味でも良い味を出しているのが好き。結果的にはその時にしかできないものが作品に味を出す、いや文字通り色を残すという所。
さて、久々に観た感想だが、初見時の年齢でこれを面白いと見れるほどではなかったかな。
そういう意味で今回観た感想はといえば、あのラストシーンに持っていくまで素晴らしさよ。
過去と現在を提示しながら、その違いと、一見変わらないものとがそこに集約するのかという所。
彼女もレイモンもそれを微塵も感じさせない、いや、けど何か違うというのがねえ。
個人的には彼女が見ているものを一切見せずに彼女の表情と聞こえているものだけを延々と提示しているシーン。そしてラストシーンに尽きるかな。
誰にも悪意はないし、悪意とも感じていない中で、それが何をもたらすかも想像せずにいた結果なんだよなあ。
今までの話で関わった人達も再び登場させつつ、1話で描かれたライザ達からの成長を確認するためのこの最終回。
やっている事は変わらない。ふと見つけた石片から始まる宝探し。
但しそれは島の中で完結している事に落胆もしないし、手に入れる為に何をすれば良いかとその意味も分かっているし、結果として手に入れたものの本当の意味もわかっている。
原作となるゲームの魅力も、それがシリーズとしてずっと続いてきただけの事はあるという事がちゃんと伝わってくる作品でした。
普通にというのも変だけれど、それを伝える為にきちんと作られている事による面白さも見せてもらえたような気がします。アニメ化されて良かったと思う作品でした。ホントこの時間枠の作品は外れがないよなあ。
ああ、やっぱり。
って、気付いたのは前回のにゃむのリアクションでようやくだったのだけれど。
MyGO!!!!!の方は相変わらず迷子のままでとりあえず一息ついて、物語はAve Musicaへバトンタッチという訳で見ようによってはアニメのスカルマンの最終回かな。
それはともかくたぶん少なくとも1話くらいはマイゴのメイン回とどれかの完全裏視点の回とかありそうで楽しみだ。まだまだ繋がらない所あるものな。
という先のことはさておき、マイゴの話。
先行してまとめての放送となった3話分観た限りではまさかこんなジェットコースターが待ち受けてるとは思わなくて、そういう意味で楽しかったなあ。
もう上がるかなと思ってもひたすら続く下りの連続。
そこからの一気の巻き返し。
それが今まで続いてきたバンドリ!という作品の延長線上にあるというのがまたね。
(2023/09/09 NHK BSP放送版)
やはりジョンフォード作品は馬が走るシーンを観るだけで眼福。
ピーカンなロケで見せる光と影のコントラストとか毎度ニヤニヤしてしまう。
そして、賢い者同士が進めてくれるテンポ良い話の心地良さも味わえる。笑いと緊張感の混ぜ込み方も惚れ惚れする。
舞台が整うまで30分ちょいというのは駅馬車もそうだったかな。
ジョンフォード、堪能させていただきました。
2023/09/05記
今年新たに刊行された市川亮平訳を読んでからの昨年刊行の田口俊樹訳版も読了。
この方は血の収穫や動く標的も近年訳されているのか。
どちらも以前読んでいるのでまた読んでみるかな。
さて、余談はこれくらいにして本書を読んでの感想。
市川亮平版の感想でわかりやすいという言い方をしたがそれはちょっと言い方が間違っていた。
親しみやすい、砕けた表現が多いという方が正しいかな。それでいて私の持っているチャンドラーの書く文章イメージに近い文が多い。
どちらかと言えばチャンドラーを楽しむという意味では市川亮平版が良いかなと思う。
と、わざわざこんな事を書いたのは、より話を整理した上で「分かりやすさ」があるのはむしろこの田口俊樹訳の方かなと思ったから。
ある意味ここはどういう意味かという所での発見があったり、どういう単語を言い回す事で複数の意味を持たせている事をよりわかりやすく表現してしているのがこの田口俊樹訳だと思った。
その訳し方の違いで印象の変わる場面がいくつもあった。
そういった多数の視点でみたひとつの物語を堪能するという意味でこの2作品に加えて清水訳村上訳まであるのはホントに幸せだな。
さらに言ってしまえば作品そのものは一人称、一人の視点で描かれているのが面白い。
そしてこれらを踏まえてアルトマンの映画を見てみると、それらを原語で読んでいる人間がどう解釈してああいう形になったかというのも妄想できて面白い。
それが原作ものの映画として正しい在り方だと思わせてくれたのがこの作品である。
久々に清水訳も読んでみるかなあ。
あれ? 前回のもの言わぬあの子かと思っていたら本当に七星。
フィッツ先輩はサイレント繋がりで知り合ったのか?
大学でルディの感じていたあれこれはここに繋がっていたのね。
しかし転生と転移の違いはあの場での生き死にで、一緒くたに引っ張られた結果かもという事か。
もしくはすべて誰かが転移陣を使った影響として普通に起こり得る事とか?
あとは転移災害が起こったのはこちらの世界だけではない可能性もあるしいくらでも話は広がるな。
という状況に飛んでしまっていたが、フィッツ先輩全部アリエル様には話してるのね。まああの言い方は少しズルい。
キャラが登場した瞬間にそのキャラの立ち位置がわかって、さらにはcvが二択に縛られるなんて気持ち良い事は早々に起こらない。
さらにその想像がどちらも当たっていて。
その他にも回想に入った瞬間に彼が何故彼女の話をしたのかと同時に彼と彼女が再会した瞬間まで想像できたりとか今までの蓄積から来るものやこの1話だけで完結するものが詰まっている回でした。
それがかたや核心、かたや物語の未来に関わる事だものな。好き。
クライマックスとなる4人として最初の冒険の舞台はこれで整った。
ミッション達成度としては、ボース達の救出か、街道への竜の危険性排除か、もしくは古城や遺跡の秘密にまで迫れるかの三段階が考えられるがはたして。
この出発の朝としての盛り上がりって満を持してのドキドキワクワク感がたまらないが今回は王道として満足。
ブリジットはようやくこちらを向いたか。
しかしそんな手を使ってくるとは。
国教会からの本件に対する工房交代の打診。
そしてまた人手不足となった所でここでジョナス。
ホント一手一手攻めてくるなあという所でとうとうアンじたいが離脱という状況。
これで逆にペイジ工房もブリジットを職人頭という道筋に繋がらないかと期待もしてしまう。
あの工房に関してはジョナス含めてこれで必要なものが揃ってアンは次の場所へと進める。
Cパートの色々と抑えたような二人の会話が過去の少し色褪せた会話のようで素敵だった。
今回はてっきりローレンスが恥ずかしさに負けて街中で聖女様と呼んでしまい酷い事にならないといいなとドキドキしながら観ていました。
しっかりと2曲。
色々と揃ってるねえ。
初代主役との絡みもしっかりと。
バンド名もようやく確定。
センス無いと言われつつ微妙に拾われてる愛音。
誰も褒めてくれない。
気が乗って皆に一声かけようとして結局折れる立希。
その彼女になんだかんだ言って懐いてる楽奈。
ようやく燈にありがとうが言えたそよ。
変わらず迷子になりながら前を進もうとする燈。
良い感じだな。
で、どうやらCRYCHICを解散した理由が予想通りだったような祥子がついに動き出す。
しかし残りの人生って。
2023/08/31記
そうか、今年で初出から70年なんだ。
映画は50年だったし。
最初に読んだ清水俊二訳は今でもオールタイムベストだ。
村上春樹の訳は話題になったが、さらにその後、去年と今年の2回に渡って新訳が出ていたことは知らなかった。
しかも今までの早川書房ではなく創元と小鳥遊から。
前置きが長くなった。
今回読んだのはその小鳥遊書房版のハードカバー。
訳者は市川亮平。多分この方の翻訳したものを読んだのは初めてだと思う。
この本の存在を知った時その紹介文から得た印象通り、とてもわかりやすかった。さらにはその場の状況描写の為のイラストもわかりやすく、作品のガイドになっていたように思う。
それでいてという書き方は変かもしれないが、多分今まで訳されたものよりも、より原著に近い文章になっているようにも思う。
そう感じたのは冒頭の一文が昔読んだ原書であるペーパーバック、家の中のどこかに今もあるはず、で読んだとても長ったらしいチャンドラーらしい文に思えたから。
答え合わせは出来ていないので間違いかもしれないが。
この一文に好印象を持ったせいもあって最後までわかりやすくそして面白く読ませてもらった。
そのわかりやすさのせいでというのもあれだが、何箇所か文字が飛んでいたり誤植と思われる箇所があったのも目ざとく見つけることができた。
まあ改めて読むとアルトマンの映画とはけっこう違うのだけれどマーロウそのものは地続きに感じるんだよな。
だから映画の方も好きだったりする。
いくつも間違いを犯し勘違いもし、それに対して後悔もしながら自分の信念を持っている、そんなマーロウの魅力が一番詰まっているのが本作だと思う。
さて、長話はこれくらいにしておこう。
もう一つの訳本が待っている。