2011/06/30

「傾物語」 (2010) by西尾維新

「猫物語(白)」に続く「化物語」シリーズの一編。

(以降ネタバレあり)













その前作で少しだけ出てきた情景から始まるこの物語は、その状況で語られた八九寺真宵の物語と思いきや、ほぼ阿良々木暦と忍野忍の物語だった。

しかも、さすが吸血鬼様メインであるが故にくだらない所から物凄くスケールの大きな話に。

さらには今までとは比べものにならないくらいの最強な対戦相手。




けど、けれど、まごうことなき八九寺真宵の物語なんだよなあ。

あの時点でそれだけはあるだろうと予測できたものが思わぬタイミングで見られることとなる。


そうか。良かった。
けどどちらも正解なんだよなというところに落ち着かせた。


まあ前半ちょっとだけダレてはしまったけれどもうそれだけで良い感じだ。


ひたすらデレる忍と、彼女が見れただけでこの話を読んだ価値はあったよ。


あとそうそう、西尾維新のこの時間解釈も好きだよ。
ある意味ハインラインに近いし。

2011/06/15

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2011/06/11

「とある魔術の禁書目録6」(2005)by蒲池和馬

「とある魔術の禁書目録」シリーズ6作目は、九月一日学園都市に侵入したイギリス清教の魔術師シェリークロムウェルと彼女が操るゴーレム=エリス、そして霧ヶ丘女学院の風斬氷華のエピソード。

6作目にしてようやく夏休みの呪縛から逃れた話であり、アニメ化1期のクライマックスとなる話、そしてシリーズで初めて(というかようやく)科学と魔術が交錯した話であったりする。


アニメ版とは特に戦闘シーンになってから違うことが多くなったような気がする。
ただしうろ覚え。


黒子や美琴はあまり積極的な活躍はしない。

その代わりアンチスキルがけっこーかっこいいんだよな。

まあ多少の突っ込みどころはあれど、ゴーレムと風斬の対比とかわりと基本に忠実に作られた作品なんだよな。
思わずほろっとしてしまったところもある。


しかしまあ返す返すもアニメ版はダイジェストになってしまってる部分がもったいないよなあ。まともに作ったらここらへんなんかいつ観れるか分からないから痛し痒しと言うところだが。

「とある魔術の禁書目録5」(2005)by蒲池和馬

「とある魔術の禁書目録」シリーズ5作目は、夏休み最後の日八月三十一日の学園都市を舞台にしたグランドホテル形式の一編。

早い話が魔術と交わる幻想殺し(イマジンブレーカー)や科学と交わる一方通行(アクセラレータ)などの1日を描いた短編集だが、ところどころ相互乗り入れしたりしなかったり。
なので「グランドホテル」形式。


時間軸で一本にせずにエピソード毎に一本にまとめたのは発表形態もあるのだろうがまあ何よりも読み手に取って優しい。
時系列での再編集はふた周りめからでも十分楽しめる。
できれば、それをアニメ化の際にしてもらえると面白かったのだが、あろうことかエピソードはバラバラに、さらに闇坂編に至っては2期に飛ばされていたりもする。

…だったはず〉アニメ版



各話の感想について言えばどのエピソードもほろっとさせられてしまうところがあったり上条当麻について言えばドラゴンブレス以降、一方通行について言えばシスターズ編以降がついて回っている作品である。
まあさらにはほかのキャラクタも今までのエピソードの延長線上にしっかり存在している。
まあそんなの当たり前だろうと思うがその自己主張が強いと思っていただければよいと思う。

さて、今回の話はそういうものである以上、以降の話に繋がる出来事やキャラクタも多い。

3巻シスターズ編で登場したアクセラレータはこの巻以降メインキャラクタに昇格し、同巻には登場しなかったものの作用の結果として打ち止め(ラストオーダー)が登場し彼女もメインヒロインのひとりとなる。

またこれで消えると思われた海原光貴(偽)は、同じく1巻だけで消えると思われていた土御門が4巻で再登場するがごとく出番を与えられることとなる。

御坂美琴と、さらにはこの時点までまだ出番の少ない白井黒子に至ってはその後スピンオフコミックとして、8月31日以前にかなりの活躍をしていたと言う事態となっている。


唯一闇坂逢魔だけはこういう世界から外れたようだが彼の場合はもう自主的にこの世界には関わってこないと思う。
しかし上条勢力の一人ではあるのだろう。

さあて本編にはほぼ触れずにここまで書いたぞ。

そうそう、今回は冥土返しの世話にはならなかったな〉上条当麻

2011/06/09

「涼宮ハルヒの暴走」(2004)by谷川流

「エンドレスエイト」

実に見事な原作もののアニメ化な脚本だったな。
原作をほぼそのままの言い回しでピックアップしてアニメ化してることが良く分かる。
それでいて多少意味は変わっていたりもするのだな。
時間という枠に収めるために。

この原作はアニメよりもむしろ文学的で…というかSF小説的でという言い方の方が良いのかな…という感じだったりする。
あと、アニメのほうがより「…消失」の為に作られているのをひしひしと感じさせてくれる。
そりゃそうだろう。長門だってうんざりするさ。

一方で原作のほうも長門が魔女化するに足る扱いを受けてはいる。
キョンの長門に対する扱いが軽いというか適当すぎる部分があるんだよな。
おまけ扱い的なぞんざいさ。アニメにはこの作品においてはそれがない。

まあキョンが長門を気遣ってやれるようになるのは「…消失」以降である。

それほどまでに原作キョンはハルヒラブだったりするのである。(もちろんいっさいそれらしい表現は意図的に避けている)


「射手座の日」

原作小説においては「涼宮ハルヒの消失」の一つ前のエピソードということになる。
そして、このエピソードの最後の行においてこれが語られたのが「…消失」を体験した後だということがわかる。

かといって表向きは予兆などないのだけれど。
さらにむしろそれを緩和する要因(読書以外の事に長門が興味を持つ、イコールストレスの緩和)を得たようにさえみえてしまうのだが、実際にはゲームを通じて「観察する以外の選択肢」にめざめてしまったのかもしれないな。

あと、この作品でのトピックは「一見普段と変わらないが怒りに満ちている長門」が初お目見えしているというところか。

アニメにおいても見せ場である「許可を」は原作でも一番の見せ場である。
まあ二番めはコンビ研に誘われた長門がキョンに対して見せる表情で、三番目がハルヒのドロップキックか。
どれも映像化される際には観たいところであり、無論それらはすべてアニメ化の際の見せ場となっていることは言うまでもない。



「雪山症候群」

これは未映像化な作品。
時系列的に言えば「涼宮ハルヒの消失」の後に「ひとめぼれラバー」が来て、その次の作品に当たるのだが、「消失」後の方向性がはっきり示されてる作品である。

まあ何せキョンの長門に対する態度が変わったことにハルヒが気づくくらいだからなあ。

一方で夏休みの「孤島症候群」の冬休み版という面もタイトルからしてあからさまではある。
けどそこには当然罠があって…というのが正統派な楽しみ方だ。

で、映像化された際のお楽しみは間違いなくあそこだろうな。どのような形にするのか、誰得な部分もしっかり映像化するのかがニヤニヤしどころでしょう。

2011/06/05

「とある魔術の禁書目録4」(2004)by蒲池和馬

「とある魔術の禁書目録」シリーズ4作目は、御使堕し(エンゼルフォール)編。


この作品に関わらず、そう例えば(うろ覚えだが)「バスタード!」などでも、天使がらみになるとひたすら冗談としか思えないくらい状況になるんだよな。

それをこういう形(天使の精神が下界に堕ちてきて全人類の精神と外見が玉突きシャッフルされることで術者の精神がその天使の器に入れ替わる)なんて展開に持っていくことでエロゲイベント一歩手前なシチュエーションを作り出したのは見事。

けど、そんなイベントさえも上条当麻の右手、幻想殺し(イマジンブレーカー)はブレイクし、さらにはその本物の天使でさえその右手には自分の存在を抹殺されてしまうという理由で触れることさえできないというチートっぷり。

さらにはここで早々に親友である土御門が実は魔術とも科学とも絡む多角スパイであることを白状され、神にもっとも近い聖者な神裂ねーちんは天使と戦う。


本作にはこのシリーズにおける魔術師の定義、基本的にはほとんどの魔術師が自身のあまりにもの弱さのため護身として持っている跳び道具であり、しかもその弱者っぷりが故にプロとしての精神は備えてはおらず、故にそのほとんどが赤ん坊に拳銃状態というその後にも関わることが出てきたりもする。
まあ故にたぶんどんどん長くなるであろう上条さんの説教タイムには何事もせず付き合ってしまう輩が多いのであろうなあ。

もっともこの説明アニメ版ではなかったような気が。


と、まあ実際簡単に説明するだけでも大変な設定の塊ながらもその部分まで含めて読ませてしまう上手さをこのシリーズは持っている。

さらにはそういった部分をうまく伏線を使う方法として、そう例えば後付け伏線の処理もしくは昇華のさせ方のうまい谷川流などは多分に才能的なものなのであろうが、この作者蒲池和馬の場合は最終稿を編集に渡す頃には次の次の長編の初稿が出来ていてその担当と打ち合わせてるというそのハイペースっぷりからきてるのだろうな。


話がやや逸れた。
まあ一方で相変わらず突っ込みどころは多い。
ただまあそれもひしひしと伝わる作者の作品愛と勢いが何とかしてくれる。


しかしこんな西尾維新の化物語以上に映像化しづらい作品をアニメ化したのは無謀だと思う反面こうやって読者がふれる機会を与えているというのは、原作者や出版業界には良いと思う反面、アニメにとっては…何かパッケージも売れてるみたいだからどっちにとってもいい話なのだな。結果として。

2011/06/02

「涼宮ハルヒの陰謀」(2005)by谷川流

一口に言ってしまえば、伏線張りまくるだけの話と言えなくもないのだが、それだけで一本の長編として成り立たせてしまうところが見事だと思う。
さらにそのために後日ちゃんと伏線回収する話は作られなくても問題ないように出来ているし。(それが何なのかを予測するための最低限の説明はされているし。)


と、油断しているとしっかりタイトルどおり陰謀は進行しているという。


まあホント話作りうまいよなあ。