2008/02/16

「怪人二十面相・伝」北村想

年末に金城武主演で公開される映画「K-20/怪人二十面相・伝」の原作「怪人二十面相・伝」を読みました。

(以降ネタバレもあります)



















その名の通り江戸川乱歩の怪人二十面相シリーズの怪人二十面相を主人公として描いた作品。
ちなみに本作中で描かれているのはその誕生から「怪人二十面相」まで。「…・伝」としては続編として「青銅の魔神」編まであります。

江戸川乱歩的な美学に彩られた物とはちょっと離れている感がありますが、まぁそれは原作がそもそもそうではあったからそれはしょうがないか。当時の世相と作中の出来事をよりうまく絡ませて二十面相視点で描かせているあたりが面白いなと思いました。
二十面相も「怪人」というよりはより普通の人間として描かれているし、対する明智小五郎もどちらかといえばルブランの書いた「ルパン対ホームズ」におけるヘルロック・ショルメス(=シャーロック・ホームズ)のような描き方。

ルブランのルパンシリーズは好きで社会人になってからも文庫でいろいろ買い直したりして読んでいたものの、怪人二十面相シリーズは読んでから既に30年以上経っているので「…伝」も含めてせめて「青銅の魔人」くらいまでは読み返してみようかな。

そのうえで、これをどう映画化するのかを楽しみたいなと思います。