2010/08/21

けいおん!! #20 「またまた学園祭! 」 (その2)

最初に挙げた感想と一部被るかもしれないがご容赦。




最終回はこういうものを用意されるんじゃないかと思っていたさ。
けど見せ場としてのクライマックスが今回だと思っていた。



しかしながら、見せ場となるはずの最後の学園祭ライブは…


過去のどの話よりも地に足が着いたものでした。

1年の時の妄想補正や2年の時の想い出補正は無し。
和やさわちゃんが用意したサプライズで今まですべてが吹っ飛んで…。
期待された新曲は今までになく高校生が作った歌色が濃いもの。
唯の漫才のようなMCも補正なしだと、グダグダだわ、狭いステージで機材やメンバーにぶつかりまくり、巻きが入っても誰もフォローできず。
けどグダグダばかりでも無くって、あ、これは仕込んでいたんだなというところもあり…。

まぁ、大なり小なり身におぼえのある人なら、まさに地に足の着いた展開。



けれども、それでもね…


彼女たちにとっては最高のライブだったんだという思いがヒシヒシと伝わってきて…
彼女たちも自分たちがグダグダで終わってしまった事は十分過ぎるくらい自覚があるにも関わらず…






2期目のけいおん!!はその初回から「今回は(1期けいおん!と)これから描く1年間を使って、もう戻らない高校生活を描いて泣かせる」という意図をあからさまに出していて、だったらこっちはそのクライマックスを楽しみにしてやろうという感じで望んでいたのですが、まさか「ひとつの見せ場」に過ぎないと思っていた学園祭にここまでに仕掛けを持ってくるとは思ってもいませんでした。
これはもう完全に不意を突かれたという感じ。
まだまだ先だろうと登り続けていたら、ふと視界がひらけて頂上に居たみたいな不意打ちの感動。

これはもう、卒業に向けてのソフトランディングを狙っているんだろうなぁ。ぐずぐずぐじゃぐじゃな最終回ではなくそこには日常があってその延長線上にある卒業式のような…。


本当にやられたよ。


ライブの幕開けにいきなり「ギー太、出番だよ!」のポーズを取ってる唯とか、今までで意図的にあまり出して来なかったであろう唯憂の両親や紬の友達らしき子たちが出てきたりとか、19話分使ってフィーチャーしてきた同じクラスの子たちがそれぞれのキャラクターを持って画面に登場してきたりとか。
まぁそれ以上に個人的にインパクトがあったのが前述の舞台から見たライブではあったのだけれど、

その全力疾走の後に、アレだものなぁ。
もうこの時間は二度と戻って来ないということを彼女たちが自覚する瞬間。
いくら、来年にはきっともっとうまくなっていたとしても決して戻らない瞬間。


高速進行で時間を切り取っていった一期「けいおん!」から打って変わって、1年間を2クールかけて描こうとした「けいおん!!」の着地点はココだったんだね。

やはり『涼宮ハルヒの消失』を作って何かが変わったんだなということを改めて感じさせてくれた「けいおん!!」でした。(ってまだ終わってはいないけれどね。)