2011/02/26

『劇場版マクロスF 恋離飛翼 ~サヨナラノツバサ~』(2011) @立川シネマシティ

『劇場版マクロスF ~サヨナラノツバサ~』を鑑賞。(2011/02/26 at 立川シネマシティ g studio)


(以降ネタバレあり)


















前作イツワリノウタヒメであそこまでやってしまったので、いったい何をやるのかと思いきや…。


いろいろな意味、良い意味でも悪い意味でも予想がすべて外れたような展開でした。

すげえわ。



まず、悪いところ書いちゃおう。
TV版の時の一番の不満であったシナリオがひとつの作品の為のものではなく、ひとつひとつのシーンの為だけのもの…という部分が前作『~イツワリノウタヒメ~』では特に焼き直しとなるような部分において練度が上がってきたなと思ったのに、何かまた元に戻っている。駄目じゃん。
とくに前半部分。
あと、キャラ顔のかんたん作画が目立ちすぎ。
だいたい以上かな。


ということでそれ以外の部分が良い方向にすべて作用していました。
前作でちょっと消化不良だった「イツワリノウタヒメ」ネタもちゃんと回収しているし、その他前作ネタやTV版ネタを観た人が「あ、これは!」と分かるシークエンスをちょっとズラして使用している部分が結構面白い。
ナナセも、おお、こう来たか!だったし、マヤン島もちょっと違う形で、ミシェルのあんな場面やルカが…とかくすぐる場面の多いこと。
ああ、そもそも冒頭からして「ユニバーサル・バニー」の延長線だものな。
そして、前作エンドタイトル後の大きな2つのブラフが実は2つとも各々のライブネタだったというw
ホント、そう来たか!という感じ。
ブレラやグレイスの扱いもああだと思ったらあ、そこでそうなのとか、こういうのはホント、今まで観た人へのご褒美という感じだったな。
で、そういう部分だけは既に一度やっているところだから先に挙げた悪いところ病にはかかっておらず、これなら良いかもという感じ。
TVじゃないんだからぶつかったら治るとかやっぱだめだよ>ブレラ(笑)

そう、そしてMay'nのライブで河森正治が触発されてスタッフに嫌がられながらもやりたかった事って、サイリウムの海だったのね(書いちゃった。(笑))
ありゃ大変だわ。

で、まぁそういった部分を除いたすべてが、ライブか戦闘。
徹底してるのが良いわ。
TV版の娘々サービスメドレーや、前作の「オベリスク」=「ライオン」、もしくは「ファステストデリバリー」回の「星間飛行」みたいな強烈なものは無いにせよ、うん、とてもバランスよくて好きだわ。
艦長のベタな馬鹿さ加減も好きだし、フラグブレイカーな誰かさんも、ありかよという感じだし、ああ、全部書き出したい。

そうそう、魔装少女も出てきたし(笑)、魔法少女も出てきた。


そして、前作に引き続き、主役張っているな>アルト。


そうじゃなきゃ最後のアレは成り立たないし、ってかTV版の「お前たちは俺の翼だ!」っていいのか?だったからなぁ。

そして、このエンディングはポジティブにもネガティブにもとれるものになっていた。
うん、こういう余韻は悪くないよ。


結果、やはり基本は駄目なんだけれど、それでもそれを凌駕するチャームポイントで心を引きつけて止まないものがある。
実は私にとっては最初のマクロスからずっとこうなんだよね。
これだめなんだけれど…あああ、これ卑怯だどうしても好きにならずにいられない!みたいな。
そういうものをこんな短い時間の中にてんこ盛り。
なんて幸せ!

あ、また最後のアレ思い出してしまった。もしかしたら彼は彼女に会えるのかもしれないね。彼らにも会えるのかも。
ああ、もしかしたら彼らも彼らも彼らも同じってことか?あ、彼らもか。
ふむふむ。

ああ、何かそう考えると嬉しいな。
そうか、基本は変わっていないのか。
そう思いたいな。



…って後で自分で読んでも何考えていたか分からない事をグチャグチャ書いていますが…うん。
きっとそうだ!

同じ形ではないけれど、同じところに行き着いていたんだね。
そう思えると、そして最初からそれ考えてあえてTV版作ったのだとしたらそれは尊敬するわ。
とんだブラフに騙された!って。


本当に作者に愛されている作品だ。


うん、しばらく余韻に浸っていたいよ。