2011/02/27

「GOSICK -ゴシック-」(2003) by 桜庭一樹 (ネタバレあり)

先日読んだシリーズの短編第一作の「GOSICKs -ゴシックエス・春来たる死神-」に引き続き、長編第一作「GOSICK -ゴシック-」を読了。

既にアニメのほうは読んでいたので大筋は知った上で読んだのだけれど…、逆にアニメのほうはそういう形で改変したのね。

過去部分をmonologueとしてその最初から最後までを現在と並行して描かれていました。
当然、そのmonologueと現在とでは人物の一致を意図的に避ける形で。
それでいて、けっこう分かりやすい形でネタばらしをしていっているという感じかな。

アニメを見て短編だけ読んだ時点で、物語のエッセンスとしてトリックを置こうとしているのかなと思っていたのだけれど、これ、どちらかと言えば読者年齢を考慮してのトリック難易度のような気がしてきました。ミスリードを誘うということをあまりせずに、答えを提示する直前にヒントをわりと分かりやすく出してくるアタリ。
(まぁこれは既に大筋知っている上で読んでいるからかもしれないが。)

分かりやすいといえばヴィクトリカのデレも分かりやすいわな。アヴリルのそれもまた。

そのアブリルもまたアニメ化する上で改変せざるを得なかった…というよりは改変してでも隠しておいたほうが良いと思ったのだろうな。
映像が出てきた時点で出落ちになってしまうから。

というわけで、既に読んだ短編のほうが時系列的には前なのでこれをどうするかというのがアニメ化でのポイントだったように思う。


まぁアニメ化と言えばもっと早い時間帯(低い対象年齢)でも良いように作られた話ではあるわな。(ってまぁけっこうえぐい描写も出てくるのでそうでもないか…逆にそういう部分はアニメのほうはごまかしているないやしかし…)


で、アニメ化云々を置いといて、まずこの本だけ読んで見る限りでは、私個人の趣味とは少し外れているかな。むしろ短編のほうが好みだったかも。


まぁただし、発表順序からすると短編2作目以降はこの長編より後に書かれたっぽいし、シリーズ作品として定着するまでにはまだ紆余曲折もあったのかもしれないので、あと数作読んでからの判断かな。
長編2作目は近いうちに借りられそうだし、まずはそれを楽しみにしよう。