2011/05/14

「涼宮ハルヒの溜息」(2003) by 谷川流

「涼宮ハルヒ」シリーズの長編2作目。まぁシリーズ化となってから初めての長編というわけだ。
そして、2006年のシリーズアニメ化の際には本作品はアニメ化されなかったものの、「劇場版 涼宮ハルヒの消失」のために必要なエピソードを追加した2009年版においてアニメ化されたエピソードである。
何故アニメ化されなかったのかといえば、たぶんこのエピソードとある意味被るエピソードのほうをむしろ積極的にアニメ化したかったからなのだろうなぁと思う。
そちらは小説としては今ひとつであったものの、アニメ化する際に膨らませられる部分があり、かつ実際アニメ化した際にはそれが非常に成功していた。
まぁ気持ちはわかるんだけれど…。


というグダグダな話をまずしたくなってしまうこの「涼宮ハルヒの溜息」。
シリーズ化ということで1作目、本来であればひとつの小説として完結している作品においては語る必要の無かった部分にたいしての説明が色々と多い。
例えば、宇宙人、未来人、超能力者の互いの関係であったりとか1作目のラストシーンの続きであったりとか。

というわけで2作目としてはバランスが良いのであるが、これを時系列に並び替えてしまうと「あれ?」なんでこれが今さら出てくるんだろう感が出てくるかな。
そういう意味でもアニメ化はしづらかったのかもしれない。(邪推)

で、話し戻ってそういう部分があるためにこの作品はそれなりのボリウムとなってはいるが、それ以外の部分は実に魅力的でSFしているし、涼宮ハルヒしている。
なんたってミクルの目や他から繰り出されるものの数々や本来ならこの作品で出オチ終了となってもおかしくない立場ながらその後の作品にもちょくちょく顔を出すことになるシャミセンやらもう涼宮ハルヒなら心の底から喜びそうなもの満載である。
半ば異世界となっていた文化祭直前なんてのもきっと、後で聞いたら悔しがるんだろうなぁ。

まぁ、そんなこんなで楽しい一編、無事アニメ化もされてよかったよ。