2011/08/03

「とある魔術の禁書目録19」(2009) by 蒲池和馬

奪われた禁書目録を追ってロシアへと向かう上条当麻。

…はひとまずおいといて…

一方で学園都市の統括理事会によって作られた暗部組織の学園都市への反抗→別組織による粛正という図式はその後も続いていた。さらに以前の抗争で意識不明の重体に陥った恩人の復讐のために外部からも傭兵が侵入するという状況の中、自らの守りたいもののために行動するアクセラレータや浜面仕上。


ということで15巻での暗部組織間の抗争劇のその後の話なのだが、二人の主人公が同じ時間軸の中で交互に活躍する様を実に分かりやすく且つスリリングに描いている。
話のスイッチのさせ方とか割と状況の寸止めが多いにも関わらずスムーズなんだよな。ここらへんがとてもうまい。

ただでさえ、既にかなりのキャラクターが存在しているこのシリーズで混乱せず各キャラクターを読者に把握させることに成功し続けているのもこういう部分の描写のうまさがあるのだろう。

まあ悪ぶっているけど誰がみても正義感で動いているようにしか見えないアクセラレータに対しての周りのツッコミが甘いのが気になってきているという側面があるが、その原動力がひとりの女の子という図式に対してはロリコンという形で周りから突っ込まれているので、これ以上やると本人逆ギレしかねないからなあ。


というわけで学園都市、科学サイドも通常営業でした。

そして、三人の主人公達が各々の守りたい人の為にロシアへむかうという状況で次巻へ。