2011/10/24

「囮物語」(2011) by 西尾維新

冒頭数ページ。
「ああ、今までの流れからしての予想通り撫子一人称の物語だったなぁ。」
「しかしこれは何か新井素子調な西尾維新で、まぁどちらも言葉遊び好きだからある意味違和感がない。」


なぁんて呑気な事を考えながら読んでいたのだけれど。


「このシリーズでアニメ化の影響を一番受けたのは撫子だったんだなぁ。これ100%花澤香菜ボイスで脳内再生可能な物語だなぁ」


なんて思いながら読んでいたのだけれど。


これ、シリーズ最終回に向けてのマッチポンプな話じゃないか。
正直「偽物語」以降のこのシリーズは「化物語」の後日談に過ぎなかったのが、この作品を以って初めて次のシリーズという形になった。


言葉遊びに徹したこのシリーズとしての当然の帰結として「千石撫子はラスボス」となった。文字通り。

しかもこんな形でかよ。


本作発売当初から実はある程度は聞こえていたのだけれど、たしかにこれはないよ。こんなのってないよ。
そりゃラスボスだとは言われていたけれど本当の意味でラスボスになってしまうとは。
(まぁ実はここ数作を影で操っている人間が他にいるには居るのだけれど、形の上ではラスボスだ。)


これ、ぜひ映像で観てみたいなぁ。
てっきり毒気が抜けていたと思っていたすべてのキャラクターがこれで活性化しだすのは間違いない。
間違いなく最終回に向けてのマッチポンプな話。

しかも最終作と言われている「恋物語」の間に「鬼物語」が挟まれていたから油断していたが、時系列的には最終回直前な物語。
あ、最終作と云いつつ、作者自身も第二シーズンとか言ってるからとりあえずは第二シーズンの最終作ね。


さあて、この形の上では勝ちの見えない本妻との対決の行方は如何に。








それにしても、一番良いところをかっさらっていったなぁ>ひたぎさん