2013/02/16

演劇ユニット金の蜥蜴第八回公演「荊姫-いばらひめ-」at 築地本願寺ブディストホール

演劇ユニット金の蜥蜴第八回公演「荊姫-いばらひめ-」の2013/02/16昼の回を観てきました。

前回の同ユニットの公演は予定がギリギリまで決められずチケット取れずに断念したが、今回は無事鑑賞。


いやあ面白かった。

私が観劇自体久々のせいかもしれないが、かなり早めのテンポで会話が進んでいくのでもしかしたら話を切ることが出来ずに詰め込んだのではないかと感じていたが話に集中し出すとさほど気にならなくなる。
そしてあるタイミングでリズムが一変してゆっくりと時間が流れ出した時、今までのテンポがそこで昇華した事を知る。
その話のテンポもそうだが、博雅が舞台で声を発した時、明らかに今までと違う音が耳に入ってくることでそれまでの混乱が一変するのだ。

ああ何かこれだけでも見に来て良かった。

もちろんそれまでの各キャラクタの立ち居振る舞いややり取り、特に晴明のそれだったり対する二人の息子との違いとか女性陣の掛け合いや物部保人が変える空気なども気に入っている上での事だ。

あとそうそう、妖しである荊の姫に対して、見え聞こえる者と見えはせぬが聞こえぬ者、そして見えも聞こえもせぬ者という三者を放り込んだシチュエーションには、それが成立したと気づいた途端にホントワクワクしたよ。
そしてそのワクワクに対して十分に答えてくれた事がとても嬉しかった。

荊の姫や沓子、そしてたぶん信子が感じていたであろうことに対して結局は答えを出さなかったことに関しては、個人的には晴明が話しそうな内容を少々期待していたのだが、一方もっとも相応しい人は今回の当事者たる博雅であり、となるとと彼の口からはその台詞は出てはいけないのでまあ難しいな。


さて、そして今回の能パートとの融合の部分だがたぶん今までで一番良かったのではないかな。

能の舞がそのままで周りの役者とのリアクションで芝居が成立しているという状況がとても自然だったように思う。

今まで模索していたという感じだったのがようやく答えの一つを見つけたという感じかな。


そんな訳で今回は観に行けて本当に良かったよ。