2017/11/01

「妹さえいればいい。1」(2015)平坂読

「妹さえいればいい。1」(2015)平坂読
凄い。
「はがない」こと「僕は友達が少ない」を読んだ時も感じたが、まずこの発想が凄いなと感じたと共にそれを成り立たせ読ませることにも長けている。
さらに自らシリーズ構成と脚本に関わっているテレビアニメを既に見始めているが、両者のメディアの特質を理解した物語の再構成が上手い。
それぞれ各話のゴールを理解した上で話をシャッフルしている。
どのようにエピソードのパズルを再構成しているかを考えながら読むのも楽しそうだ。
というかTVアニメの構成考えてこの小説書いた訳じゃないよなと言うくらいの各話のまとまりように改めてビックリだ。
作家の矜持に関わる二面性、そのどちらに対しても忠実であり続けるという立ち位置にいる伊月はたしかに魅力的だ。
近くにいればそれこそ劣等感に苛まれるだろうけれど。
その上で彼のアイデンティティに関わる爆弾がそこら中に配置されている。
中でも一番大きそうなものがたぶんはがないと同じく理解した上での行動なのだと思うがその意味をどこに落とすかが今から楽しみです仕方がありません。
とりあえずTRPGの作り込みが面白い。