2011/05/11

「涼宮ハルヒの退屈」(2004)by谷川流

「涼宮ハルヒの退屈」
このエピソードが時系列的に「涼宮ハルヒの憂鬱」の次ということを考えるとそれだけでニヤニヤできる。
お互いの関係も初々しいというか、例えば古泉に電話がかかってきたと同時にリアクションする朝比奈さんと長門が、各々の立場で動いてるところとか、お互いの協力関係の取り方とかね。
もちろんホーミングモードとかハルヒの元気っぷりやらツンデレっぷりとかね。


「七夕ラプソディ」
改めて読んでみると、アニメ版の脚本はホントうまく出来てたんだなと言うことが判る。
実は原作をかなり削ってるんだけど良いところ万遍なく残してさらにアレンジしダイジェスト感を与えずに一つのエピソードにしている。
そして、このエピソードがアニメ化された目的が「…消失」のためということで的が絞られた内容になっている。
とは言ってもやはり好きなのは原作のほうだな。
アニメのサクサク感も好きだが、原作語り部のキョンの言葉選びはやはり良いわ。


「ミステリックサイン」
殺人ブルドーザーな回。
コンピ研部長の部屋転じての閉鎖空間の足場が地味にアニメとは違っていたりとか。
変な生き物が途中出てきてカマドウマを回復させたりとか古泉がふもっふとかセカンドレイドとかは当然言わないどころか、長門がシールドを張ることもなく古泉の赤玉一発であっさり終了。
その代わり被害者は8人ばかりいてうち3人を救出するためには新幹線で遠出しなければならないという。
それはさておき地味にSFしてるあたりが好きな作品である。


「孤島症候群」
これもアニメ化されたものとは結構違うんだよなあ。
黒子の毛や謎の美女だけならいざ知らず、妹は鞄の中に隠れて密航を企んだだけでついては来ず毎晩酒盛りでその初日にどうやらハルヒとキョンは記憶から抹消したいようなことをしたらしいし、古泉は田丸さんの部屋に一目散に走らず、朝比奈さんは兄弟喧嘩もせず、などなど。
それらの中でも特筆すべきは台風でずぶ濡れの中洞穴で二人きりイベントとハルヒがその直前に観た謎の人影も無し。
それでいてどちらも面白いだなんて、よいことじゃないか。