2012/09/22

「ココロコネクトヒトランダム」(2010)庵田定夏

「ココロコネクト ヒトランダム」(2010)庵田定夏を読了。


テレビアニメの方を観てからの感想になります。


まず、その比較からしてしまうとアニメの方が導入がうまいなと思った一方でこの原作の方は特にこの「ヒトランダム」という現象そのもののせいでややとっちらかった印象を受けました。
アニメは逆に声と映像が一瞬で入ってくるしさらにはやはりプロだけあって声優さんは上手いわ。


ところが、途中から状況が逆転する。
アニメのほうが太一無双な部分ばかりが強調されてしまい、太一自身の弱点に対する描写が薄くなったり、さらには稲葉の体調不良がどれほど重いものであったかも軽く見えてしまいその後の展開に疑問符だったのがどちらもちゃんと書き込まれている。

もちろん太一無双や稲葉の体調不良はどちらもやや唐突に感じはしたのですがそれでもそのフォローの有無は大きい。


そうやってある部分を越えてからは原作のほうが面白かったな。

ちゃんと後の伏線になる設定も判りやすく置いてくれてるしそれが嫌じゃない。
アニメという形の血肉を得た上での原作という好条件ではあれど前半の停滞感が嘘のような後半の疾走ぶりは心地良かった。

しかしまあ本当に愛されているよなあ〉稲葉ん

他の4人も愛すべきキャラクターだけれど次作の彼女も知っている分にやにやものでした。