2015/08/22

「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。11」(2015)渡航

「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」(2015)渡航

「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。11」を読了。

10巻と10.5巻飛ばしての最新刊。
アニメ2期の最終話までという話は聞いていたがその通りだった。

バレンタインの相談を受けた奉仕部。そこから話が思わぬ方向に進んでいき、束の間得られた幸せな時間には否応もなく終わりがあることを見せつけられる。

そこには今までが詰まっていたからこそ、あの場がああなってしまったことは3人にはとても耐えがたいことだっただろうな。

いろはすがしたことは無意識?それとも?


そして哀しいデート。

このシーンばかりはたぶん実写映像があればそれにはかなわないのだろうな。
ほんと、まるで一級品の恋愛映画の一番キラキラしたシーンのような趣き。

だからこそ、余計に由比ヶ浜結衣は自分をずるいと言ったのだろうな。
私の申し出を聞いてくれれば束の間でも良い思い出でこの話を終わらせることができるよと。
揺れ動く雪ノ下雪乃。
けれども比企谷八幡はその道を選ばない。

アニメを観たとき受けた印象は「雪乃の抱えている問題の答えを私は判っている。
その回答の代償として八幡のことは譲らない。だから私に委ねて」だった。
けれどこの原作を読んで得た印象は「現実を見ないで今のままでいようよ。私に言われるがままに。」と言っているように感じた。
どちらなのだろうな。
それともどちらでもないのか。


いずれにせよこの物語の主人公たちはこの状況に立ち向かうことを決めた。
その先にハッピーエンドはない。しかし後悔もない未来を求めて彼らは心を決めた。

この先一切描かないのが一番格好良いんだよな。

そういう意味でアニメは一番良い終わり方ができたのかと思う。
しかしまぁそうなら強がりでも良いのでもっと格好をつけた終わり方をしてほしかったな。

そして原作。
続けるのであれば、思い切りあがいてあがいての様をぜひ見せつけてほしい。


傷跡を残すような結末を。