2018/01/01

「機龍警察 狼眼殺手」(2017)月村了衛

「機龍警察 狼眼殺手」(2017)月村了衛
各主要人物のそれぞれ大きく関わる話が一段落したところで起こる敵の大きな動きと各機関を横断した協力なしでは解決できない大きな事件。
周り全てから忌み嫌われる特捜が一時であれ共同戦線を張れる存在になったのは心地良かった。
またその一方で、この話が何故このシリーズとして語られるのかと言う所はお茶を濁して終わりかねないなと思っていたところで、このシリーズの根本に関わる部分であった事を知ることになる。
最初何故緑がここでというのは思っていたがそういうことだったか。
そしてさらに、一度大きく語られたライザの過去の怨念がもう一度大きくクローズアップされることに。
彼女はオズノフほど救われてはいなかったのだがこれで少しだけ前進したのか。
但しそのオズノフも、今回の件で匂わされた由起谷に襲いかかるであろう危機で再び前進することになるのだろうか。
各登場人物達の過去を螺旋のようになぞりながら進んでいくこの話も、沖津部長の放った言葉が示唆するあと三年以内に〈敵〉との直接対決という図式が見えてきたところで、結末にむけて走り出すという事になるのかな。
しかしホント、原作者が原作者だけにこれだけ映像化が想像できるこの作品、良い条件で映像化されないかなあ。